ストーリー性のあるダンス(Narrative Dance)

コンテンポラリーダンス

ダンスを見るとき、鑑賞するときの参考として、今回はストーリー性のあるダンスについて書いてみます。
narrativeというのは、ストーリー性のあるという意味なので、ストーリー性のある作品の事をナレティブな舞台作品、ナレティブなダンス作品などと言います。

ストーリー性のある舞台作品として代表的なもの


ナレティブな舞台作品といえば、歌舞伎やミュージカルといえば、わかりやすいでしょう。
歌舞伎の「仮名手本忠臣蔵」は忠臣蔵のストーリーを演技と踊りで語っていますし、ミュージカル「キャット」も猫たちのストーリーを歌、踊り、演技で表しています。


ダンスやバレエの中でストーリーのある作品も多くあります。
例えば、バレエ「白鳥の湖」は白鳥姫の恋愛悲話をバレエという身体表現で物語っています。
ダンスの作品でも、同じようにストーリー性のある作品がありますが、コンテンポラリーダンスの場合は、結構斬新で、面白い作品があります。その中でも
ここでは、ピナ・バウシュ「春の祭典」、マシュー・ボーン「白鳥の湖」、森山開次「不思議の国のアリス」を例に、ストーリーをダンスにしている作品を紹介します。

ピナ・バウシュ「春の祭典」

スラブ民族が、春に行う生贄の儀式をダンスにしています。一人の乙女が、太陽神の生贄に選ばれてしまいます。その乙女は、いけにえの踊りを踊って息絶えてしまいますが、その乙女を無情にも長老たちがいけにえとして神に捧げるという内容です。

舞台の上に土を敷いているのが、一味違うダンス表現にしています。

赤いスカーフを最後に持った少女が生贄となってしまいます。

マッシュー・ボーン「白鳥の湖」

バレエの名作「白鳥の湖」とは、全く違うストーリーです。主人公の白鳥の王子が、日々の生活に生きがいを感じることができず、色々な問題を起こしながらも悩み、ついには自殺を考えます。
その時に出会った白鳥に恋焦がれてしまい(同性愛です)、最後は狂死してしまうという悲劇です。
パパラッチが登場したり、女王との三角関係があったりで、ストーリーが、原作の「白鳥の湖」とは、かなり違っていて、現代的かつマシューのオリジナルの作品になっています。

曲はチャイコフスキー作曲のもので、振付ていますね。このビデオは、アダムクーパーが、主役の白鳥を踊っていますが、男性美の世界観があります。

森山開次「不思議の国のアリス」

主人公のアリスが、池に落ちて不思議な国へ迷い込み、数々の面白い体験をします。このストーリーが、ベースにあって、言葉とダンスで、綴っています。

この作品が、一番最近の作品ですが、ダンサーのキャラと衣装が面白不思議な感じです。

森山開次さんのオフィシャルサイトはこちら💁‍♀️

まとめ

上に挙げたようなダンス作品は、ストーリーがあって、話の筋が追える作品です。
原作のあるものでも、演出の仕方が違ったり、脚色してあるところが、それぞれの作品の面白いところです。
ストーリー性のある作品でも、ダンサーの身体表現が中心になるので、身体性に目が行きますが、ダンサーの人たちの演技力もなかなかです。
ダンスの場合は言葉をあまり使わないので、ストーリーのあるダンスを見るときは、話の筋をプログラムでおってみていくと、ダンスの表現や空間表現(照明や音響など)がさらに楽しめるかもしれませんね。

動画:解説 ストーリー性のあるダンス マシュー・ボーン「白鳥の湖」


下の動画では、今回ご紹介したマシュー・ボーンの「白鳥の湖」から、白鳥のダンスを詳しく解説しています!

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