ダンスを批評するときは、まず、観察して、具体的に記述、そのことを分析し、自分なりに解釈、そして最終的に自分なりの批評をします。これらの段階の中で、観察して記述する作業は、簡単ですが、分析、解釈して批評する作業は、少し難しくなります。
ダンスを批評する5つの段階
1.観察する:見ようとする姿勢を持つ
2.記述する:見聞きしたことを言葉に表す
3.分析する: 細かいところ(動き、空間の使い方、何か道具を持っていたかなど)まで見て、何が起こっているのか見る
4.解釈する:ダンス作品を自分なりに、説明できるように意味づけする
5.批評する:そのダンスの印象に残った部分とその理由を言う
(例)ミュージカル「雨に唄えば」の主人公が傘をさして踊っている部分を、観察し、それぞれの段階で鑑賞して批評すると
2.記述する :道で、男の人が、雨の中を傘をさして、歌い踊っている
3.分析する: その男の人は、片手に傘をもって、足で、軽やかにステップを踏みながら歩道に上がったり降りたりして踊っている。時には、早いステップを踏んだりしている。踊るのに夢中で、水たまりの水を両足でバシャバシャ弾いていたら、警察に注意される。
4.解釈する: 彼はとても、幸せそうで、雨が降っていてもお構い無し。雨に濡れるのを楽しんでいるよう。
5.批評する :後半の方で、彼が、水たまりの水を両足でバッシャバシャ弾くところがいい。リズミカルに曲に乗ってはしゃいでいる様子がダンスの動きに表されているから。
例としては、上記のようなになります。
動きの中では、ダンサーが、くるりと回ったり、街灯に登ってポーズをとったりのような、とても印象的なシーンもあります。こういう振付を覚えておいて、ダンスクラスの創作にときに使ってみることもできます。
また、最近ロイヤル・バレエ団のアダム、クーパーが、「雨に唄えば」の舞台でこの踊りをしましたが、ジーン、ケリーがタップダンスの振付けが多かったのに対して、回転やジャンプが多かったのが印象的でした。やはりバレエダンサーだなあと。
まとめ
ダンスを見るときの5つの段階について説明しました。この5つの段階について、友達と話し合ったり、クラスで話し合ったりすると、こんな見方もあるんだ!と気がつき、いろいろな見方も楽しめます。上記のような分析的な見方ができるとダンス創作やテクニックに関しても、上達につながります。多くのダンス作品を見て楽しんでみてください。
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