踊ってみたいダンス作品ーストーリー性のない作品ー

キッズダンス

ストーリー性のない舞台作品というと、マニアックな印象があります。というのも、ダンスを構成する要素である、動き、空間、身体、などをメインコンセプトに作られた作品だからです。なので、作品内のダンサーには、キャラクターや感情移入する場面がありません。ここではそんな作品を作った3人のコンテンポラリーダンス振付家をご紹介します。

マースカニングハム”Second Hand”

以前のブログ「感情を否定したダンス   マースカニングハムの創作、禅」でご紹介しましたが、彼は、様々な動きをリストアップして、サイコロを振ってその結果を基準に、動きの順番を決めて振付にする創作法でダンスを作った人です。(チャンスオペレーション)

彼の場合は、動きや、動きの発するエネルギー、空間、時間というダンスの要素に重きを置いて、ダンス作品を作りました。

下のビデオはカニングハムのダンス作品「Second Hand」です。ダンサーたちは無表情で、ひらすら動きに集中して、舞台上を踊りまわるっています。音楽と動きのタイミングが違いますが、調和して見えるとことが面白いですね。

トリシャ ブラウン”Set and Reset “

マーズカニングハムに影響を受けたのが同じアメリカ人の振付家トリシャ・ブラウンです。下のビデオは”Set and Reset “という作品ですが、私の好きな作品です。

この作品の面白いところは、動きが全て決められていますが、全体の振付が決まっていないというところです。ビデオでも解説していますが、毎回振付が変わります。

ダンスの即興性をパフォーマンスにしている点、ダンサーたちの動きに迷いが見られるのも面白いです。

ローザス”Rosas danst Rosas”

以前のブログ「感情を否定したダンス   」でご紹介しましたが、日本でも人気のあるベルギーのコンテンポラリーダンスグループです。

同じ動きを、ダンサーたちがタイミングを変えて、カノンのように踊ったり、全員一緒になったりを繰り返しています。胸元を開いたりする女の子っぽい動きが印象的です。シンプルな動きの重なりや繰り返しが、ダンスの面白さを見せてくれます。

まとめ

これらのストーリー性のないダンス作品は、一見難しく見えるので、一般的にあまり見られないが残念ですが、それぞれの振付家のダンスに対する考え方が現れている面白い作品です。新しい形のダンスを模索して出来た作品だけあって、何か訴えるものが感じられる強い作品ですね。

 

 

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