ダンスを構成する4つの要素 アクション:動作と身体(全体と部分)の2つ

キッズダンス

身体の動作は無数にありますが、その全てを説明しようとするなら、アクション(動作)と身体(身体の各部分そ含む)の2つで説明がつきます。

アクション(動作)を表す言葉は、ダンスの練習や創作に役立つ

ラバンの動作分析では、ダンスのアクションは次の5つの動作に分けて考えます。

1、移動する  :空間を移動する動き、走る、歩くなど

2、ジャンプ  :空間の高低で移動する動き、ジャンプ、跳ねる、飛び越えるなど 

3、回転    :身体の軸を持った回転、バレエのピルエット、などの回転

4、ジェスチャー:身体の部分的な動きと全身の動き(場所を移動しない)

5、静止    :全身を静止させている均整の取れた状態

それぞれの例を挙げると

1、移動を表す言葉は、 歩く、走る、ダッシュ、足を引きずる、はう、滑る、突進する、よろよろ歩く、横切る、忍び足で歩く、飛びかかる、小走り、ヨタヨタ歩く、とぼとぼ歩く、マーチをする、散歩する、ノロノロ歩く、など

2、ジャンプ、空間の上下間(高低)の動きを表す言葉は、はねる、飛ぶ、飛び越える、バウンスする、スキップ、ギャロップ、ホップ、跳ね返るなど。

*何かに捕まったり、つる下がったりなど、対象物を介する動きは除外します。

3、回転を表す言葉は、クルクル回す、自転する、何かの周りを回る(公転する)、ピルエット(軸を中心に回る)、スパイラルに回る

4、ジェスチャーを表す言葉は、打つ、膨らむ、ストレッチ、リーチする、揺れる、崩れる、頷く、波打つ、ツイスト、しゃがむ、叩く、スタンプ、引くなどです。

5、静止を表す言葉は、ポーズ、姿勢を保つ、止まる、固まる、バランスを取る、立ち止まり、ためらう、待つなどです。

実際は、これらのカテゴリーが組み合わさった動きがダンスの動きになっています。例えば、「走りながら、(移動)腕を動かす(ジェスチャー)」などです。

この分類には、色々と例外も出てきます。
例えば、側転、立つ姿勢で腰から床に落ちる動きや、丸太のように床にゴロゴロ転がる動きなどです。

それでは、この分類は、正しくないじゃないか!と思われがちですが、その時こそ、動き方を分析すると、動き方がわかってきます。しかもこの考え方はダンスの動きを整理できるので、練習や創作する上で非常に役に立つのです。

ダンスの振付を言葉で言うとき、「この動きはこうやってこう」とか「〇〇な感じ」などというよりも、「飛び越える」「フラフラ歩く」など動きを表す言葉を使ったほうが、具体的でわかりやすいですし、同じ走ると言う動きでも、「突進する」と「ダッシュする」のように、言葉を区別して使うことで、違う動きをすることができます。

また、これらの言葉を使って、ダンスの振付を作るというやり方もあります。

例えば、これらの言葉を適当に3つ選んで動きを作るとして、

「ダッシュ」「止まる」「クルクル回る」という3つの動きを、素材にして、それに、手足の動きをつけたり、速さ、や高さを変えれば、それなにり面白い振付になりそうです。

ゴム人形のような身体と身体の各部(ボディーパーツ)

ジャズダンスやヒップホップなどでもよくあるアイソレーションのエクササイズにあるように身体は頭、首、胴体、腰、腕、脚、手、足などの部分から成り立っています。
身体の動きがこれらの身体の各部分の動きと各部分から起こる動きがあるということです。

前者の身体の各部分の動きは
例えば、首を回す、肩を上下に動かすなどの部分的な動きになります。

後者の身体の各部分から起こる動きというのは無数に考えられます。
というのも、身体の各部分はすべてつながりを持って全身体を構成するもので、身体の一部が動くことで、他の部分も動き出し、身体のある部分が、ねじれたり、折れたりすることで、身体のほかの部分に影響するからです。
つまり、身体を一つのゴム人形のようにとらえて、全身はつながりを持って動くという考え方が根本にあります。

例をあげると
頭の上から横に波打つように動かすなどの動きがこれに当たります。

ウエストを捻ると上半身と下半身はおしぼりのように、逆の方にねじれる。

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この説を唱えた Irmgard Bartenieff は、ルドルフ ラバンの考えを発展させて、LMA(Laban Movement Analysis)を提唱し、全身体のつながり(connectivity)を説明しました。

*これについて、関連した記事を以前書いたので、参考までにコンテンポラリーダンスの基礎 ダンス、太極拳、ヨガなど多くのジャンルに共通の事

LMA(Laban Movement Analysis)についてもっと細かく知りたければ、次のサイトを参考にしてみてください。Laban Bartenieff Institute

まとめ

身体が単独で動く時のあらゆる動きを総括するアクション、身体という2つの事柄について書いてみました。次回はダンスを構成する要素の2つ目の要素ダイナミック(動きの質)について書いてみたいと思います。

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