ダンスと演劇の違いとタンツテアター

ストレッチ

以前、ストーリーのあるダンスというテーマで、マシュー・ボーンの「白鳥の湖」をご紹介しました。
ストーリーのある演劇的な舞台公演といえば、ミュージカル、歌舞伎などが頭に浮かびます。
では、そもそも演劇、ダンスとはそれぞれどのような表現と言えるのでしょうか。
このブログでは、ダンスと演劇の表現の違いとそれぞれ特有の表現をダンスにしたタンツテアターについて書きます。

ダンスと演劇の異なる点

ダンスと演劇は、時間と空間の中に生まれる舞台芸術であるということで共通点があります。しかしながら、演技と踊りは動きを用いるという点でも同じですが、目的が異なります。

演劇は人間の間に起こる、対立、葛藤などのドラマを題材にしています。
一方ダンス作品では、動きや舞台空間、時間などをコンセプトにしたり、ストーリーを扱ったとしても演劇とは異なる表現になります。

例えば、コンセプトを使ったダンス作品では、
コンテンポラリーダンスカンパニー、ローザスのミニマリズム(同じ動きの繰り返し)のダンス作品があります。
コンセプトを利用してローザスのダンスについてはこちらのブログに書いています。

また、演劇では、役者がセリフをいうことが一般的ですが、ダンスはダンサーがセリフを話すというよりも、身体を使った表現を重視します。

ダンスと演劇の融合 ミュージカル 歌舞伎

実際、ダンスと演劇を融合させた舞台芸術は、色々なところで演じられています。ミュージカルや日本の伝統芸能歌舞伎、能もそうであると言えます。

例えば、歌舞伎の「京鹿子娘道成寺」は大蛇と化して愛する男を焼き殺しす女の話ですが、演目の中では女形の華やかな踊りが見られます。

京鹿子娘道成寺

ストーリーを語らず、演劇を取り入れたタンツテアター

コンテンポラリーダンスでは、ウッパダール舞踊団のピナバウシュのダンスが演劇の要素を取り入れたダンス作品を創作しました。
このダンスと演劇を融合したダンスの表現形態をタンツテアターと言います。

ピナバウシュ 「カーネーション」

ただ、ミュージカルや歌舞伎が、ストーリー中心の表現である一方、ピナバウシュのタンツテアターの作品は身体の動きやダンスに重きをおき、一貫したストーリーはありません。

上の「カーネーション」の作品の中でも、ダンサーの動きやジェスチャー、発する言葉から彼らが、何かを感じながら体に表現しているのが見られます。
そして、それは振付家が振付たダンステクニックや動きではないようです。
ここに、タンツテアターの魅力とピナバウシュ の振付の秘密があるのです。

ピナバウスのタンツテアターと彼女の振付法については下の動画で説明しています。

ピナバウスのタンツテアターについての動画
タンツテアターを生み出したピナバウシュ の振付法

まとめ

今回は、ダンスと演劇についてその違いと、演劇の表現をダンスに取り入れて生み出されたタンツテアターについて書いてみました。
実際、ピナバウシュ のダンサー達は、バレエやコンテンポラリーダンスのテクニック的なトレーニングだけでなく、演技的なトレーニングも行っていました。次回は、ダンサーとしての演技力について書きたいと思います。


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