これまでのブログで、ダンスを上達させるのに、ダンスパフォーマンスをすること、ダンスを創作すること、ダンスを鑑賞することの3つを行った方が、よりダンスを上達するのに効果的ということを書きました。

この3つを同時進行していくと、ダンスに対して、興味を持って取り組めるということも納得いくと思います。

上記のブログで、ダンスを構成する4つの要素について簡単に書きましたが、もう少し詳しく書いておきたいと思います。
そこで、今回から5回にわたってこの4つの要素について書いてみます。

私自身、ラバンの理論を大学やダンス学校で学び、研究しましたが、ここでは、私なりに、実際にダンスの教えや振付の時に用いて、クラスで共有できた解釈で書いてみます.まずは、なぜこの4つの要素がダンスを構成するものなのかについてです。

ダンスを構成する4つの要素

この考え方は、ハンガリー出身のダンス研究者、ルドルフ・ラバン(1879-1958) のムーブメント理論をベースにしています。

ダンス研究者である傍、ラバン自身は、振付家であり、ダンサーだったので、ムーブメント研究のほかに、舞踊譜(ラバノーテンション)を考案して、複雑なモダンダンスの動きをシンボルを使って譜面に書いたりしています。

彼の理論は、彼の死後、リハビリテーションやダンス振付家など身体の動きに関する専門家によって、少しづつ形を変えて、発展しました。というわけで、それぞれの専門家によって少しづつ解釈が異なっていますが、根本的なところは同じです。

ダンスの動きを4つの要素からみることで、ダンスの見方が整理される

全てのダンスの動きには、アクション(身体がする動作)、ダイナミック(身体の動きの質)、空間(身体を取り巻く空間)、他者との関係(自分と踊る対象や人)の要素があり、これらが組み合わされて、ダンスの動きは構成されています。

こう言ってしまうと何か制限がついてしまったような気がしますが、ダンスの振付を創作したり、自分で覚えたりするときに、このような見方を持っておくと、振付や動きの見方が整理されてきます。

ダンスの動きを4つの要素で分析すると

例えば、2人の子どものダンス動きを分析すると

二人の子どもが

手を繋いで(他者との関係):「手を繋いで」という行為から二人の関係性(友達か兄弟なのか)を読み取れる

リズミカルに(ダイナミック):動きの質がリズムに乗った動きである

スキップを踏んで(アクション):「スキップ」というのがメインのアクションとわかる

ジグザクにスタジオを横切った。(空間):二人が移動している空間がジグザグの軌跡を描いている

この4つのことを言われれば、だいたいどのようなダンスか想像がつき、自分でも、ある程度動くことができます。もしこの中で「スキップを踏んで」というのが欠けていたら、「どんな風にしてスタジオを横切ったの?」という疑問も湧いてきますよね。

細かいところまでダンスの動きを説明して記述するときは、もっと動きを細かく分けて、ラバノーテンション(舞踊譜)のように、手の動き、足の動き、体の動き、体の向きなどに分けて、それぞれについてのアクション、ダイナミック、空間、他者との関係を記述すします。

ラバノーテーションの例
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実際、ビデオのない時代は、そのように細かいところまで記述するラバノーテーション(舞踊譜)がビデオがわりで、モダンダンスの振付を記述していたのです。そして現在、いくつかのダンスカンパニーでは、そのラバノーテーション(舞踊譜)から、過去のモダンダンス作品をリバイバルして上演したりしているのです。

まとめ

ダンスを構成する4つの要素について、ざっと説明してみましたが、どうでしょうか。ラバンのムーブメント理論については、ダンス関係者の中で好き嫌いが分かれることが多いです。ただ、ラバン自身も言っているように、この理論を一つのアイデアとして、ダンスの振付やパフォーマンスに利用したほうが、発展性がありそうです。
実際、この理論を独自の振付に応用したコンテンポラリーダンスの振付家も何人かいます。次回は最初のカテゴリー「アクション」について書いてみます。