コンテンポラリーダンスのクラスで使う曲や作品に使う曲を探している方は多いと思いますが、いざ探そうとすると、たくさんある曲の中はなかなか探しきれなかったりします。
そこで、ここでは、コンテンポラリーダンスでよく使われている曲とコンテンポラリーダンスの振付家の曲を見つける方法を2つをご紹介します。
コンテンポラリーダンスによく使われる曲
まずは具体的な曲と作曲家名ですが、外国と日本それぞれの作曲家と曲名をご紹介します。
外国の現代作曲家
スティーブ・ライヒ(Steve Rich)
彼の作曲には「砂漠の音楽」「アーリーワークス」「ライヒベスト」等があります。
「砂漠の音楽」の中の曲は繰り返されるフレーズが、複数のボーカルとともにボリュームを増していくというようなイメージを掻き立てる曲です。
「アーリーワークス―」の中で特に面白いのが「カムアウト」ですが、「カムアウト」という男性の声が壊れたレコードように繰り返されていて、これもイマジナティブです。スティーブライヒのサイトはこちらです。このなかの”Discography”から彼の曲がすべて視聴ができます。アマゾンで検索しても視聴できます。
テリー・ライリー(Terry Riley)
彼の「in C」という曲は高音の鍵盤音の繰り返しで、インパクトが有ります。テリーライリーのサイトはこちらで、”CD’s”の所から彼の曲全てが見れます。サイトからすぐには視聴できないので、youtube 検索で聞くことをお勧めします。
ジョン・ケージ(John Cage)
あの4分33秒の作曲で有名なジョンケージは、コンテンポラリーダンスの振付家のマースカニングハムとコラボして、作曲をしました。彼は声を曲に入れたり、ピアノを壊して音を出し、曲を作ったりとても実験的です。彼の曲はyoutubeで聴くことができ、アマゾンにも楽譜がアマゾンにいくつかあります。
アンディー・モロー(Andy・Monroe)
彼のJoyful Noise Ⅰ、Ⅱは、コンテンポラリーダンスクラスの曲(特にリリース、リモンテクニックの)としてよく使われていました。リリース、リモンテクニックにあるFall, Swingなどダンスの動きに合っているので、このテクニックのクラスに使う曲としてオススメです。
曲は主に、ピアノとボーカルで構成されていますが、曲名も「出発」「祈り」「地平線」など題名にのイメージのあり、即興で動いていても気持ちよく動けます。
彼は、ニューヨークのリモンダンスカンパニーと共に活動していてピアニストとしてクラスでもよく伴奏していましたので、動きのイメージをよく知っているのだと思います。
Andy・Monroeの曲はこちらから試聴できます。
日本の現代作曲家
コンテンポラリーダンスが、日本語で現代舞踊と訳すことからも、コンテンポラリーダンスは、現代音楽とも相性がいいと言えるでしょう。創作のコンセプトや好みもあるとは思いますが、現代音楽を使って振付をする振付家も多くいます。ここでは、テレビのドラマ曲なども作曲している湯浅譲二さん、武満徹さん、久石穣さん、そして、私が何度か、ダンスでコラボレーションした河合孝治さんの曲をご紹介します。
湯浅譲二(Joji Yuasa)
日本の現代音楽の作曲家。色々な曲を作っている作曲家ですが、アバンギャルドな曲もたくさん作曲しています。その中でダンスではないのですが、能で踊られている曲にMai Bataraki II があります。Joe Yuasa’s70th birthday concertのアルバムには管楽器や弦楽器による現代音楽が収められていています。
武満徹(Toru Takemitu)
湯浅譲二さんと同時期の現代音楽作曲家。現代音楽の作曲の他にドラマの音楽も担当していました。「波の盆」や「夢千代日記」の曲なども彼の作曲です。聴いているとその情景が浮かんでくるような曲です。
久石譲 (Joe Hisaishi)
日本の現代作曲家。「風の谷のナウシカ」などの曲を作曲したことで皆さんご存知と思います。ドラマや映画の音楽を作曲しているというイメージが強いですが、実は現代音楽の作曲法(レペティション)などをかなり取り入れている曲もあるということです。
河合孝治(Kouji Kawai)
私がダンスで、何回かコラボさせていただいたのですが、「無」nothingnessをテーマに踊っていたときに使わせてもらった曲は現代音楽的なものでした。曲もこの「無」のコンセプトに合ったものでしたし、現代音楽風なレペティションや拍子のない曲にので、私自身もインスピレーションを受けて、ダンスの創作にあらたな取り組みをする事が出来ました。(河合さんありがとうございました (^―^) )
コンテンポラリーダンスの曲を見つける方法2つ
現代音楽作曲家とのコラボレーション
コンテンポラリーダンス(ポストモダンの分野でもありますが)の振付家でも有名なマース・カニングハムは現代音楽の作曲家ジョン・ケージとコラボしてダンス作品を作ったのは良く知られています。
既存の音楽でどうしても見つからないときは、作曲家に作曲を依頼する方法もありますが、作曲家とコラボして作品を作るのも一つの案です。マース・カニングハムとジョン・ケージの場合は、創作のアイデアや相性も良かったので、素晴らしい作品を発表できましたが、コラボする相手との相性や創作のアイデアなどしっかりと話し合わないと難しい場合もあるので、その点は要注意です。
多ジャンルの曲でいいと思ったものを集めておく
もう一人のコンテンポラリーの有名な振付家にピナバウシュがいますが、彼女は、いろいろな曲を聞いて普段からストックしていたようです。
ピナバウシュの率いるウッパダール舞踊団は、世界中でダンスの公演をしましたが、ダンス公演をしたその国で彼女はスーツケース一個分ののCDやレコードを買って帰ったそうです。彼女の作品の音楽は、歌謡曲からクラシックまで多種多様ですが、このように、いろいろなジャンルの曲を聞きまくり、その中で自分のいいと思った曲や、使えそうな曲をストックしておくのも一つの方法でしょう。
まとめ
コンテンポラリーダンスと関係のある国内外の現代音楽の作曲家と曲選びについて書いてみました。
コンテンポラリーダンスで使う曲は、クラシックから現代音楽、効果音的な音まで本当に多種多様です。
自分のダンスのスタイルやコンセプトに合う曲を探してみてくださいね!
下の動画では、ご紹介した外国の作曲家と日本の作曲家の曲を聴きながら説明していますのでよかったらご視聴ください!
コンテンポラリーダンスと相性がいい?日本の現代音楽作曲家。contemporary dance and Japanese contemporary music composers
コンテンポラリーダンスに使われる曲と個性的な作曲家4人 contemporary dance musics and composers
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