中学で必須科目になったダンスとは?ー創作ダンスー

キッズダンス

今まで、中学で必須科目になったダンスの授業でやる3つのダンスのうち2つ「フォークダンス」と「現代的なリズムのダンス ヒップホップダンス」について書いてきました。

今回は最後の「創作ダンス」についてです。

創作ダンスの歴史

まず、創作ダンスの歴史を簡単にご紹介します。

ダンス教育は明治の初期から、幼児の行進遊戯、唱歌遊戯として、カリキュラムに組み込まれていました。
学校教育としては、1936年に、学校体操教授要目に提示された小学校から女学校までのダンス教育が最初です。その頃のダンスは、教師が創作した既成作品を踊る指導であったため、創作ダンスではなかったようです。

本格的に創作ダンスが授業で用いられるようになったのは、戦後に入ってアメリカ主導で教育改革がなされてからです。
当時の教育改革によってダンス教育は、「創作ダンス」と「フォークダンス」の2本立てで行われるようになり、
「創作ダンス」は、生徒一人一人の自己表現や主体的な創作活動に「フォークダンス」は伝承されてきた踊りを身につけて楽しむことの重点が置かれました。その教育体制が学校教育で継続していましたが、

平成24年より、中学校では新学習指導要領のもと、従来選択科目だった武道・ダンスが必修科目となり、そのダンスの種目の中に「現代的なリズムのダンス」が含まれるようになりました。

創作ダンスの授業で学ぶこと

以下は、中学校指導要綱の創作ダンスの内容です。

第1、2学年

下記のAからEまでは多様なテーマの例示であり,括弧の中はそのテーマから浮かび上がる題材や関連する動き,並びに展開例である。

A 身近な生活や日常動作(スポーツいろいろ,働く人々 など)
・一番表したい場面や動きを、スローモーションの動きで誇張したり,何回も繰り返したりして表現すること。

B 対極の動きの連続など(走る―跳ぶ―転がる,走る―止まる,伸びる-縮む など)
・「走る―跳ぶ-転がる」などをひと流れでダイナミックに動いてみてイメージを広げ,変化や連続の動きを組み合わせて表現すること。 

C 多様な感じ(激しい,急変する,軽快な,やわらかい,鋭い など)
・生活や自然現象,人間の感情などの中からイメージをとらえ,緩急 や強弱,静と動などの動きを組み合わせて変化やめりはりを付けて 表現すること。

D 群(集団)の動き(集まる-とび散る,磁石,エネルギー,対決など)
・仲間とかかわり合いながら密集や分散を繰り返し,ダイナミックに空間が変化する動きで表現すること。

E もの(小道具)を使う(新聞紙,布,ゴム など)
・ものを何かに見立ててイメージをふくらませ,変化のある簡単なひ とまとまりの表現にして踊ったり,場面の転換に変化を付けて表現 したりすること。 

第3学年

下記のAからFまでは表したいテーマの例示であり,括弧の中はそのテーマから浮かび上がる題材や関連する動き,並びに展開例である。

A 身近な生活や日常動作(出会いと別れ,街の風景,綴られた日記など)
・「出会いと別れ」では,すれ違ったりくっついたり離れたりなどの動きを,緩急強弱をつけて繰り返して表現すること。

 B 対極の動きの連続など(ねじる―回る―見る など)
・「ねじる―回る―見る」では,ゆっくりギリギリまでねじって力を ためておき,素早く振りほどくように回って止まり,視線を決める など変化や連続のあるひと流れの動きで表現すること。 

C 多様な感じ(静かな,落ち着いた,重々しい,力強い など)
・「力強い感じ」では,力強く全身で表現するところを盛り上げて、その前後は弱い表現にして対照を明確にするような簡単な構成で表現すること。

D 群(集団)の動き(大回り―小回り,主役と脇役,迷路,都会の孤独 など)
・「大回り―小回り」では,大きな円や小さな円を描くなどをとおして,ダイナミックに空間が変化するように動くこと。

E もの(小道具)を使う(椅子,楽器,ロープ,傘 など)
・「椅子」では,椅子にのぼる,座る,隠れる,横たわる,運ぶなど の動きを繰り返して,「もの」とのかかわり方に着目して表現する こと。 

F はこびとストーリー(序破急,起承転結,物語 など)
・気に入ったテーマを選び,ストーリー性のあるはこびで,一番表現 したい中心の場面を「ひと流れの動き」で表現して,はじめとおわりを付けて簡単な作品にまとめて踊ること。 

上記の文章だけだとわかりにくいと思うので、下に中学生の創作ダンスのビデオを挙げておきます。

中学指導要綱の内容と実際に中学生が踊ったビデオから見ると、振付自体も、自分で作るため踊れる範囲でできそうです。

色々なアイデアやものを使って動きを作ったりなどの創作活動が楽しめれば、授業も楽しくなりそうです。

まとめ

中学校で必修科目となった「フォークダンス」現代的なリズムのダンス (ヒップホップダンス)」「創作ダンス」について書いてみました。

「フォークダンス」はペア、もしくは大人数でシンプルに踊るダンス、「ヒップホップダンス」は、リズムや動きが特徴的なダンス、「創作ダンス」は、工夫して創作することに重点のあるダンスということが、言えそうです。

この3つの中から学校側が決めるので、自由に選ぶことはできませんが、学校で指導されているダンスについて、あらかじめ予備知識があれば、授業でダンスをするときにもあわてなくてすみそうです。

ぜひ参考にしてみてください。

引用
中学校学習指導要領解説 保健体育編.

参考文献
日本のダンス教育の変遷 と中学におけるダンス必修化の課題
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjsss/21/1/21_37/_pdf

舞踊学講義  舞踊教育研究会

コメント

タイトルとURLをコピーしました