最近は海外からダンスの先生が来てワークショップを開いたり、スタジオでクラスを受け持ったりすることが多くなり、外人の先生を多く見るようになりましたが、
やはり、海外のダンス事情は日本とはかなり違っています。そのような環境の中で、ダンスを勉強したいという方も多いでしょう。
特に大学のダンス学科でダンスを勉強したいと考えている方は、学校ではどんなダンスクラスをしているのか気になりますよね。ダンス学科では、ヒップホップクラスはやっているのか、ダンス以外に体を動かすトレーニングであるピラティス、ヨガなどもやっているのかなど疑問が湧いてきます。
また、今習っているコンテンポラリーダンスのテクニックについてもっと詳しく知りたいという方や、今とは違うスタイルのダンステクニックをやってみたいという方も多いのではないでしょうか。
実際、コンテンポラリーダンスにもいくつかのテクニック:リリース、リモン、グラハム、カニングハム、ホートン、インプロ、コンタクトインプロ、などがありますが、それぞれの特徴やテクニックとしてどんなところが他と違うのか知っておきたいですよね。
そんな疑問に答えるために、ここでは、英語圏(アメリカ合衆国と英国)の大学のダンス学科で、特に、充実したダンスプログラムとして人気のあるダンス学部を調査し、どのようなダンストレーニングが行われているのか、ご紹介します。
大学情報に関しては、自身のダンス留学体験をもとに、直接メールで問い合わせたり、大学の推奨するサイト情報より調べました。ぜひこの記事をお役立ていただければと思います。
大学のダンス学部で取り入れているダンストレーニングーアメリカ合衆国ー
アメリカ国内には、ダンス学部のある大学がおよそ250くらいあります。
今回はOn stage blog(New York Timesなどの主要紙に劇評をしている舞台批評をするライター組織)による調査で、
卒業生の進路が、ブロードウェイだけでなく、幅広いダンスの仕事についていること、学校の設備、指導陣の学生へのサポート、学費など7つの項目についてより優れているプログラムを組んでいる大学をピックアップしてその学部のダンストレーニングについて調べてみました。
すると
ほとんどの大学が、コンテンポラリーダンス(又はモダンダンス)とバレエをダンストレーニンングとして取り入れていました。また、どちらか選択できるという大学もあるようです。
具体的な、コンテンポラリーダンストレーニングはグラハム、カニングハム、リモン、ホートンなどのダンステクニックがあり、
そのほかにタップ、ジャズ、社交ダンスをトレーニンとして取り入れている大学もありました。
参考までに、On Stage blogがピックアップした上位10位の大学ダンス部が下のようになります。
横には学部が行なっているダンストレーニングを*以下に特徴を簡単に記してあります。
10. California Institute of the Arts – Valencia, CA バレエ、コンテンポラリー
*1日に2つのダンステクニッククラスがある
9. University of Arizona – Tucson, AZ バレエ 、コンテンポラリー、ジャズ
*ダンサーの身体に関するクラスが充実
8. University of North Carolina School of the Arts バレエ 、コンテンポラリー
*他からのダンスワークショップが充実
7. Southern Methodist University – Dallas, TX モダン バレエ ジャズ
6. Butler University – Indianapolis, IN ジャズ、バレエ、モダン
5. Point Park University – Pittsburgh, PA バレエ 、モダン、ジャズ
4. The Juilliard School – New York, NY バレエ、モダン、ジャズ、タップ、社交ダンス
*モダンダンスのテクニックが充実。グラハム、カニングハム、リモン、ホートンなどがある。
3. Oklahoma City University – Oklahoma City, OK バレエ 、ジャズ、タップ
*エンターテイメント マネイジメントについてのクラスが充実。
2. The Ailey School at Fordham University – New York, NY バレエ 、コンテンポラリー
*コンテンポラリーダンステクニックは、グラハムとホートン
1. NYU Tisch School of the Arts – New York, NY バレエ、 コンテンポラリー
*ピラティス、ヨガなどの身体トレーニングもある
大学のダンス学部で取り入れているダンストレーニングーイギリスー
英国の大学で、ダンス学部のある大学は全部で60〜70くらいあります。
今回はその中でも英国の大学が、大学データを公式に公開しているサイト(unistats 下記参照)から、コンテンポラリーダンスを学べる大学で、やはりプログラムの充実度、途中退学者が少ない、教授陣のサポートが良いなど4つ点から優れている大学を選んでみてみました。
すると
ほどんどの大学で、コンテンポラリーダンス(又はモダンダンス)とバレエをダンストレーニンングとして取り入れていました。
具体的な、コンテンポラリーダンスのトレーニングは、カニングハムとリモン、リリーステクニックがメインで、
そのほかに、ヒップホップ、ストリートダンス、 エアリアル ダンスを選択科目として取ることができるようです。エアリアルダンスが、ダンストレーニングに入っているのは面白いですね。シルクドソレイユの影響とも言えそうです。
下は、参考にした12の大学で、横にダンストレーニングの内容を下の*以下に特徴を記してあります。
London Contemporary dance school バレエ 、コンテンポラリー、インプロ
*コンテンポラいーダンスのテクニックは、カニングハム、リリース、フライイングロー、ガガ、で、ほかにピラティスもあります。
Arts University Bournemouth バレエ 、コンテンポラリー
*コンテンポラリーのテクニックは、リリース、カニングハム、グラハム、コンタクトインプロ、 でほかにピラティスも。
Bath Spa University コンテンポラリー、 インプロビゼーション
*コンテンポラリーは、カニングハムとリモン
Edge Hill University コンテンポラリー
*コンテンポラリーは、グラハム、カニングハム、リモン、リリースで、選択科目としてエアリアルダンスがある。
University Of Lincoln コンテンポラリー、 インプロビゼーション
Newcastle College バレエ 、コンテンポラリー、ジャズ
University Of Wales: Trinity Saint David コンテンポラリー
Falmouth University コンテンポラリー、インプロビゼーション
London Studio Centre バレエ 、コンテンポラリー、ジャズまたはミュージカル
Trinity Laban Conservatoire Of Music And Dance バレエ 、コンテンポラリー
*コンテンポラリーダンスは、グラハム、カニングハム、リモン、リリース
The Manchester College contemporary, バレエ 、タップ、ジャズ、ヒップホップ、カポエラ
Shockout Arts (University of Bolton) バレエ 、ジャズ、ヒップホップ、コンテンポラリー
Preston’s College contemporary ジャズ、ミュージカル
大学のダンス学部で学べるコンテンポラリーダンステクニック
英語圏であるアメリカ合衆国とイギリスの大学のダンス学部を見てみましたが、コンテンポラリーダンスでは、特に以下の6つのダンステクニックが学べるようです。それぞれ、テクニックを作り上げたダンスカンパニー公式のビデオやそのテクニックの専門機関が提供しているビデオをあげて、特徴を見てみましょう。
・グラハムテクニック : 腰と上体のコントラクション、リリース、スパイラルが特徴的です。
・カニングハムテクニック:上体と脚を逆の方向に動かしたり、色々な方向に向きを変えるなど方向感覚を必要とするなど身体のコントロールが必要な動きが多くみられます。
・ホートンテクニック:背中のフラットバックや身体を傾ける動きで特徴的です。ジャズダンスのウォームアップは、ホートンテクニックが使われています。
・リモンテクニック:フォール(落ちる)とリカバリー(回復)の動きから重力を感じた自然でオーガニックな動きに特徴があります。
・リリーステクニック:身体の癖や余分なこわばりをとって、動きの幅を広げて行こうとするためのダンサーのためのテクニックです。
リリーステクニックといっても色々が種類があるので、その中でもリリーステクニックの先駆けであり、NYCのMovement Researchの創始者の一人でもある、Daniel Legkoff が、テクニックの根本を語っているので、参考までにビデオに上げておきます。
ビデオの中でもいっているように、リリーステクニックは型のあるテクニックではなく、身体の動きをダンスのトレーニングとして応用させていくという考え方をします。
・インプロバイゼーション:その場で即興で体を動かすこと。動ききっかけとなるものから、身体を使って、動きを発展させていくダンストレーニング.
まとめ
上の結果から、海外のダンス学科では、コンテンポラリーダンスのトレーニングとしてカニングハム、グラハム、リモン、リリース、インプロの5つのテクニックを主に行っていることがわかります。
そのほかに、その大学のダンス学部の特徴から、例えば、ブロードウェイなどの商業的なダンスのためのトレーニングを重視している大学は、タップダンス、ミュージカルシアター、などを取りれていたり、学部によって、ヒップホップや社交ダンスを取り入れている大学もあります。
コンテンポラリーダンスのテクニックについては、上の6つのコンテンポラリーダンステクニックを見てもわかるように、リリースと、インプロを除く4つのテクニックにはバレエの基本ポジションやテクニック(足の1、2、3番ポジション)やタンジュ 、バットマンなどが含まれています。これから考えると、やはりある程度のバレエの基本は、やっておいたほうがいいということでしょう。
大学によっては、入学案内の学部に入学する審査基準に、テクニックを取得できる身体的な能力、振付を覚えられる力、先生からのフィードバックを受けて自分で姿勢や動きを直せるか、難しい動きにチャレンジできるか、などがテクニックを見る基準としてあげていることから、ダンス学部を受ける段階で、身体能力としては、上記のダンスのトレーニングを学べるだけの基本トレーニングは少なくとも必要と言えそうです。日本でそのようなトレーニングは無理という方には、大学によっては、入学前の1年間のファンデーションコースを用意しているところもあるようなので、参考にしてみてください。
参考リンク
英国の大学情報サイト https://unistats.ac.uk/
アメリカの大学情報サイト
https://www.onstageblog.com/onstage-blog-news/2018/8/21/the-top-25-college-dance-programs-for-2018-19 学生に人気のあるダンス学部トップ25
*New York Timesなどにブロードウェイはじめシアター批評を書くライターが運営するブログ
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