200年続いた江戸時代の歌舞伎演目は毎年同じルーティン

姉に誘われて、三菱地所レジデンシャル主催のセミナーに行ってきました。セミナータイトルは「歌舞伎の歳時記」。江戸時代の上演演目が一年でどのようなものがあるのかをわかりやすく、面白く、写真や画像を使ってのレクチャーでした。
講師は、歌舞伎ソムリエのおくだ健太郎さんと、歌舞伎ライターの関まゆみさん。

顔見世興行は11月から12月
江戸時代は、11月から歌舞伎のシーズンが始まります。11月から一年間は各芝居小屋で「今年度はこんな顔ぶれで歌舞伎をやりますよ!」というのをお披露目します。
その役者たちの名前を歌舞伎座の前に公開しているのが、下の写真です。ちなみに東京の歌舞伎座では、名前を公表しないそうです。

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1月は曽我狂言
1月の公演は曽我兄弟が親の敵討ちをとった話。この話のさいごまでではなく、曽我五郎が、敵の工藤祐経を切りつけろうとする直前に酒杯を打ち割る所まで。その続きはまたのお楽しみ!となります。

3月は 助六
1月の公演の後は助六。3月3日ひな祭りのある3月は、江戸城の大奥で働く女性が休日を取って歌舞伎を見に行きます。そこでその女性たちをターゲットに色男助六の歌舞伎が上演されます。曽我五郎をやった俳優が主役の助六です。この歌舞伎では、意休という白髪頭の侍が仇討ち用の刀(友切丸)を持っていて、それを助六が発見してしまうところで終わり、その続きはまたのお楽しみ!となります。

5月28日が敵討ち

曽我兄弟の敵討ちが5月28日だったのでそれに合わせて敵討ちの場面を演じました。

7、8月は若手役者の出番

主役級の俳優たちの上演は6月までで終わり、あとは、主役級の役者はバカンスに入り、若手俳優の芝居があります。若手は元気があるので、飛んだり跳ねたりアクロばっとを見せる演目もあり、さらに、夏という暑い時期なので怪談話が多かったそうです。

9月から10月までは、次の年の契約時期

9、10月は俳優が芝居小屋との契約時期で、11月の顔見せに備えて、プロジューサーと俳優が交渉を始めます。

毎年こんな感じだったらしいです。さすがに飽きそうですが。飽きさせないようにする俳優や芝居小屋も大変だったでしょうね。歌舞伎の見方もまた変わってきそうです。

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