ダンスに応用できるアートのアイデア

キッズダンス

ダンスは舞台芸術、絵画や彫刻は視覚芸術であると言われているように、ダンス、絵画、彫刻などはすべて、芸術表現であるということができます。このことから、ダンスやアートを創作するときに共通する考え方や構成もいくつかあり、アートにある考え方をダンスに応用する例もあります。
今回は、そのような共通する考え方や応用できるアイデアについて考察します。

形の中の空間の構成:ネガティヴスペースとポジティブスペース

彫刻には、ポジティブスペース(形の部分)とネガチブスペース(形の空洞の部分)という考え方があります。

彫刻作品の形はダンスでいう身体の形で、空間は、ダンスで言えば、身体の空洞の部分、身体を取り巻く空間や舞台空間となります。

具体的にいうと、彫刻のポジティブスペース(対象物そのもの)とネガティヴスペース(対象物の周りの空間)は、ダンサーの身体の動き(ポジティブスペース)とダンサーの周りの空間(ネガティブスペース)となります。
下の彫刻の図を参照。

つまり、彫刻の石やプロンズなどの部分と身体は空間を埋めている部分としてポジティブスペース。
そのほかの空洞の部分はネガティブスペースとして考えます。

IMG_1383

そして振付家も、このポジティブスペースとネガティブスペースというアイデアを、作品の制作や振付に使っているのです。

ポジティブスペース、ネガティブスペースのアイデアを使った即興創作ダンスエクササイズについては、こちらのブログで紹介しています。

ダンスの動きの質と彫刻の素材

また、ダンスの動きの強弱、緩急、ダイナミックな動きの表現は、彫刻作品に見る色や材質と考えられます。

例えば、人の彫刻作品が、重い鉛でできていたら、その彫刻の動きをゆっくり重々しく動いたりなどです。

ダンスアートに共通の構成とアイデア

ダンス創作でも使われる繰り返し、バランス(シンメトリー、アンシンメトリー)、対比モチーフの使用は、彫刻や絵画を創る過程で共通に用いられるアイデアです。

下のビデオは振付家 ラー ルボビッチ振付のDuet from Concerto Six Twenty-Two。この作品の6分26秒のところから二人のダンスが左右対称のシンメトリーになっているシーンが見れます。

Duet from Concerto Six Twenty-Two choreographed by Lar Luvovich

まとめ

上のようなアート創作のアイデアを使ってダンスの振付を工夫し、色々な表現をすることができます。
アート作品との類似しているアイデアを応用して、ダンスの振付や構成を工夫し、形にしていく作業は、新たな創造性を刺激してくれます。
そういうこともあって、振付家や物を作るアーティストの人はお互いの作品を鑑賞したりするのかもしれません。


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