ラバンセンターを卒業した後、ロンドンを中心に、郊外にもオーディションを受けに行った。パスしたところのダンスのリハーサルに参加し、公演を終えた後、ヨーロッパ各地(ドイツ、スイス、)にオーディションを受けに行った。
そこでも、合否は様々だった。その当時はまだ、ヨーロッパのコンテンポラリーダンスは、バレエを基本としたのが主流だった感があった。
また、演劇系の表現を取り入れたコンテンポラリーダンスカンパニーも多かった。
この時のオーディションや公演については後でまた改めて書きたいと思う。
国内外からニューヨークへ集まるダンス人口
8月に入ると、ヨーロッパは、ダンスのオーディションもプロジェクトもなくなり、ヨーロッパ全体が夏休みムードになった。
そんな時、NYにいる友人からメールがあり、コンテやモダンの色々な講習会を夏にやるので、来てみないかと誘いがあり、NYに行くことにした。
NYシティのマンハッタンには、色々なダンスカンパニーがあり、サマースクールがたくさん開催されていた。ダンスカンパニーでは、マーサグラハム、マースカニングハム、ホセリモン、ポールテイラー、マークモリス、トリシャブラウンなどのカンパニーなど。
そのほかにも、ダンススペース、ステップス、ブロードウェイダンスセンター、ペリダンスなどコンテンポラリーダンスのクラスがあるところでは、どこでもやっていた。
ヨーロッパからも、サマースクールに受けにきているダンサーや、講習会を開く振付家もいた。
私は、その中でも、リモンインスティチュート(ホセリモンのダンス学校)のサマースクールを受けた。
リモンテクニックは、自分にとっては、ラバンセンターで習っていたテクニックだったので入りやすく、好きなテクニックだったので、リモンインスティチュートの9ヶ月のサーティフィケイトコースに申し込んだ。
これは、リモンダンスカンパニーのレパートリーとテクニックを学ぶコースだ。
リモンファンデーション(リモンダンスカンパニーの財団)に奨学金申し込むと受理されたので、学費が一部免除になり、ラッキーだった。
リモンインスティチュートで本格的なリモンテクニックを学ぶ
このコースでは、毎朝10時から始まるカンパニークラスと夕方のに行われるワークショップ(ホセリモンやドリスハンフリーのレパートリーを学ぶクラス)を、受けることができた。
クラスメンバーは約10名、ラバンセンターを卒業した人やアメリカの他の州から大学のダンス科を卒業した人たちがきていた。ここでも大学院を卒業した人や小さなダンスカンパニー振付家もきていた。みんなアメリカ人らしく自己主張の強いしっかりした人たちだったが、とてもフレンドリーでいい人達だった。
ダンスクラスは全て、リモンテクニックをベースにしていたが、インストラクターによって少しづつ変わっていた。
リモンテクニックとは
重力を感じて動く自然な動きを重視して、特に腕の重みを利用してダイナミックに動くのが特徴的。
代表的な動きはFall(落る),Bounce,Recover,Rebounce,succession,Extension,Suspentionなどである。
ホセリモンの代表的なレパートリーは
The Moor’s Pavane
Dances for Isadora
A Choreographic Offering
など他多数。
コース自体はとても充実していて、モダンダンスの歴史やホセリモンの古いビデオを見せてくれたり、講義も面白かった。コンテンポラリーダンス実技のクラスも即興があったりして、とても面白かった。
私も含めてだが、このコースのメンバーも、ニューヨークにしばらく滞在して、他のダンスカンパニーのオーディションを受けたり、ダンスインストラクターの仕事を探したりしていた。
もちろん、他に劇場のアッシャーをしたりしてアルバイトをして、切り詰めながらなんとかやっている感じだった。
英語力が大きな壁に!
クラスの中には、創作をして、振付を自分たちでつくる作業もあり、振付をどうしたらいいかなどの話合いの時には、つい話し方もモゴモゴしてしまい、嫌な顔をされるのもしばしばあった。
「うまく話せなくてごめんね。」( I am sorry that I can not speal English well.)というと
「私だって日本語話せないんだからいいよ。」(That’s fine. Cause,I can not speak Japanese either.)と言ってくれる人と、
「英語勉強してる?勉強しないとダメよ。」という人もいた。
アメリカ人の話す英語とイギリス人の話す英語と発音や言い方も違うので、慣れるまで大変だったが、この言葉の壁はやっぱり大きなストレスになった。
彼らのおかげで私の英語が鍛えられたのは言うまでもない。
ニューヨークの他のスタジオ
このコースのリモンテクニックとヨーロッパで主流のリリーステクニックが自分にはとても合っていると思った。
リリーステクニッククラスはトリシャブラウンのスタジオやムーブメントリサーチにそのクラスがあり、受けに行っていた。
そこでは、コンタクトインプロバイぜーションや即興などいろいろなコンテンポラリーダンスを体験でき、コンタクトインプロバイザーとコンタクトインプロのイベントにも参加できたのはいい経験になった。
まとめ
ニューヨークでのリモンインスティテュートでの体験を主に書いてみた。
ダンスクラスはともかくとして、ディスカッション形式のクラスには本当に行くのが憂鬱で仕方がなかった。それでもなんとか、リモンテクニックの認定資格が取れた。
それも、ニューヨークに住んでいた日本人や同じYWCAに住んでいたアメリカ人の人たちが、とても親切に話を聞いてくれたり、悩みを聞いてくれたりしたおかげだと思っている。心から感謝している。
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