心身の余分な緊張を抜いて、体を再生するコンテンポラリーダンスのテクニック:リリーステクニック

コンテンポラリーダンス

コンテンポラリーダンスというダンスをあまり聞きなれない方も多いと思います。

なので、コンテンポラリーダンステクニックを説明する前に、コンテンポラリーダンスとはどんなダンスなのかをお話ししたいと思います。

そうすればこのようなテクニックが生まれたのがわかりやすくなるからです。

コンテンポラリーダンスとは

コンテンポラリーは英語で言うとcontemporary:現代の、現代的なの意味。
ダンスは舞踊です。
なので、コンテンポラリーダンスを日本語で言えば、現代舞踊のことになります。

コンテンポラリーダンスは西洋の舞台芸術であるバレエからトウシューズ、バレエの型、不自然に開く足の使い方などから距離を置き、型や形式に縛られない身体表現を模索しました。

その先駆者が、モダンダンスのイサドラダンカンです。

その後に、コンテンポラリーダンスの先駆けとなった
マーサ・グラハムは、強い感情表現と身体のコントロールをダンスの表現として確立し
一方、マース・カニングハムは、偶然性や即興を取り入れ、動きそのものを探究しました。

彼らはカンパニーを持ち、公演をし、独自のダンスとテクニックを生み出しました。

特に、カニングハムの偶然性の試みである、サイコロを使い実験的に即興的な行為(例えば、走ってから床に転がる)は新しい振付を発見するためのものでした。
このような即興を取り入れたダンスだけでなく、

実験的にジャズダンス、バレエ、武術、ヨガなどと組みあわせた新しい形を生み出したり、重力を感じるというような身体感覚を取り入れるなど、コンテンポラリーダンスの試みは実験的に身体の新たな表現を追求するという形で、それぞれのダンサーがダンスの表現を発展させていきました。

しかし、このような実験的な動きを続けることでダンサーたちは身体は怪我をすることや、体を痛めることが多くなりました。

それに応じて、ダンサーの体を守るテクニックも発展したわけですが、それが、次にお話するリリーステクニックです。

心身をリラックスして身体を整え、自由に解放して動かせるトレーニング:リリーステクニック

リリーステクニックは、色々な動きにも対応できる身体を作るトレーニングでもあります。

ピラティスやフェルデンクライス、ヨガなどにもある体と心をリラックスし調和させ、体や動きの癖を取るなど、解剖学的にも体をいたわる治癒的な側面を持ちます。

ここでいうリラックスとはただ身体をだらりと脱力させることではなく、呼吸、身体の中心や全身隅々まで感覚を行き渡らせるという瞑想的なリラックスを言います。

そうすることによって、体が重力を感じ、コントロールしやすくなるため、感情の表現も豊かにできるようになるという身体への考え方です。

つまり、リリーステクニックは、力を抜くことを目的とするのではなく、不要な緊張を手放しつつ、さまざまな身体の動きを無理なく行えるようにするための身体の使い方です。

まとめ

コンテンポラリーダンスというと何か、難しくて、専門でダンスをやっている人だけが関わるとか、ちょっと奇妙な世界、と思いがちかもしれませんが、そんなことはありません。

しかし、その中に、ダンサーの手のしなやかな動きや弾けるような跳躍、体から滲み出てくるような感情表現を見ると、どうしてあんな動きや表現ができるんだろうと思ったことはありませんか?

コンテンポラリーダンスは、新たな動きの発見をするために発展してきました。そして、そのテクニックも機械的にロボットのように体を動かすためのテクニックではなく、体を怪我から守り、より豊かに動きを表現するためのものとして発展してきたのです。

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