ダンスを構成する4つの要素 他者との関係:他者=ダンサー、空間、小道具

キッズダンス
Stanford students rehearse "Rooms."

ダンスを構成する4つの要素の最後は「他者との関係」です。ここでは、他者との関係の「他者」が人、空間、他のダンサーの場合と椅子などの小道具について書いてみます。

他者が一緒に踊るダンサーの場合

一緒に踊るダンサーが数人いる場合、ダンサー達との関係性を用いた振付が考えられます。
例えば下のような振付のスタイルを考えることができます。

コピー、ミラリング

人の動きを鏡に映っていつように全く同じように真似するダンスです。

小さい子どもが先生の動きをしっかり真似して動けるようにするためのエクササイズでもありますが、全く同じ動きを真似するというのはなかなか難しいものです。

以前、東京新国立劇場で近藤良平さんと首藤康之が演じていた「かがみのなかはたなかのなかに」は、このミラリングを使った作品でした。二人が、同一人物という設定で、全く同じ動きをして、(見分けがつかないくらい同一人物のようでしたが)ストーリーのある面白いダンスを展開しています。

動画があったので下に貼り付けます。部分的(28−34秒あたりは特に)にミラリングの部分が観れます

リーダーに習え

これもミラリングと似ていますが、この場合は、リーダーの動きに踊り手が従い,真似するやり方です。
ニューヨークの前衛振付家トリシャ・ブラウンのカンパニーは、このやり方を振付に取り入れてダンス作品を創作しています。

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トリシャブラウンダンスカンパニー”Groove and counter move”

アクションとリアクション

これは、一人の人が、何かの動作(アクション)をしたら、それに動いて答えるというエクササイズです。会話をするのと同じで、相手の動きに反応して動きます。

ユニソン

複数のダンサーが、同時に同じ動きをするのがユニソンです。同じ曲でみんなで同じ踊りをするグループダンスはユニソンと言えます。

カノン

ユニソンと逆で、タイミングを変えて同じ動きをします。合唱するときの輪唱と同じように、前のグループの動きを追いかけるようにして、踊ります。

コンタクト

例えば、ペアで、相手と右手を繋いで、バランスを取りながら形を作ったり、(カウンターバランス)相手の体重を感じながら背中に乗ったり、動きを作ったり(カウンターテンション)などしても、面白い振付を作ることです。2人以上の数人で行う場合もあります。コンタクトインプロバイゼーションもこの関係性になります。

このような動きは、人の身体の動きをよく感じ、観察していないと危ないので、小学校高学年になってから、やり始めた方が、安全です。

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他者が踊る空間である場合

幾何学的な形(ダンスフォーメーション)

ダンスの動きをグループでダンスをする時によく使うダンスフォーメーションです。空間のフォーメーションは次の2つの場合が考えられます。

・複数の踊り手で空間に幾何学的な図形を作る
複数の踊り手で直線、曲線、三角、蛇行に並んだでり、形の左右対称(シンメトリー)にしたり、空間を図形で描きます。

・人数分けをして空間を作る
5人のグループダンスを、2と3、2と2、1、4人に分けるなど人数を分けて、ダンスを振り付ける。

空間の位置どり、ポジション

複数のダンサーが、空間の手間、後ろ前、下手、上手などに位置することで、振付の意味づけをするやり方です。上下の空間も利用して、レベルを変える工夫できます。

他者が小道具である場合

ダンスを踊るときに、そのダンスに必要なものが椅子などの場合がこれに当たります。

下の動画は、アメリカの振付家アンナ ソコロワのRoomsという作品です。この作品では、椅子に座って、都市での生活に苦悩する女性の思いをダンスにしていますが、ダンスの中で、椅子が装飾以上の意味を持って存在しています。

まとめ

ダンスを踊るときに、一緒に踊る対象が人である場合、踊る空間である場合、ダンスに使う小道具である場合について書いてみました。
他者が、ほかのダンサーである場合は、ダンサー同士どのように動くか、その構成を工夫することで、視覚的にダンスを面白く見せることができますし、
他者として、椅子などの小道具を使う場合は、そのダンス特有の意味を持たせることができます。

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