ピラティスリフォーマーを使った「レッグサークル」と「ピーターパン」で股関節の柔軟性を無理なく向上
目次
1,はじめに
ピラティスは、体幹の強化や姿勢改善だけでなく、関節の可動域を向上させるトレーニングとしても非常に効果的です。
一例として、ピラティスマシン:リフォーマーを使った「レッグサークル」と「ピーターパン」は、股関節の柔軟性を無理なく向上できるエクササイズです。
本記事では、これらのエクササイズがなぜ股関節の柔軟性を無理なく向上させるのかを、研究論文をもとに解説していきます。
2,リフォーマーのスプリング調整が柔軟性向上に重要な理由
ピラティスリフォーマーは、スプリングの負荷を使い、脚をコントロールして動かすことで、筋肉や関節に適切な負荷をかけながらトレーニングを行うことができます。
Cristóbal et al. (2014) の研究によると、ピラティスマシンリフォーマーによるトレーニングが、股関節の可動域向上に効果があるということが示唆されています。
ピラティスのリフォーマーのスプリングは、筋肉や関節に負荷をかけますが、
この研究によると、スプリングの抵抗を適切に使ってエクササイズすることによって、次のような3つの点が向上したことを考察しています。
- 股関節への負担を最小限に抑えながら関節の可動域を広げられる
- 無理のなくでスムーズに関節を回したり動かしたりすることができる
- 関節周囲の筋肉の動きを良くすることで、無理なく柔軟性を向上させる
この研究結果をもとにすると、リフォーマーでスプリングの負荷を利用した「レッグサークル」と「ピーターパン」は、エクササイズを正しく行うことによって、股関節の柔軟性を無理なく向上させることができるということが言えます。
3,股関節の柔軟性を向上させる2つのエクササイズ
レッグサークル(Leg Circles)
やり方
- リフォーマーのキャリッジ(スライドする台)に仰向けになる
- フットストラップを片方の足に装着する
- スプリングの強度を調整し、適切な負荷を設定する(股関節の可動域によって負荷を軽くしたり重くしたりする)
- 骨盤を安定させながら、股関節から足で円を描くように回す(時計回りと反時計回り)
- 逆の足でも同じように行う
効果
- 股関節の動きを良くして、可動域を広げる
- 太ももや内転筋、腸腰筋の強化とストレッチ
- 骨盤の安定性向上
リフォーマーのスプリングを調整することで、股関節に余計な負荷をかけずに無理なく可動域を拡大できます。
股関節の柔軟性によって、ゆっくりと動かしつつ、徐々に可動域を広げていくのがポイントです。
ピーターパン(Peter Pan)
やり方
- リフォーマーのキャリッジに仰向けで寝る
- 両足にストラップをかけ、ピラティスポジションにしかかとを押して、45度くらいの方向に両足を伸ばす。
- 両足に同じ力を入れながら片方は横に伸ばし、片方は曲げる。逆も行う。
- 動作を繰り返す
効果
- 股関節の動きをスムーズにして、柔軟性を高める
- 骨盤の安定性を向上させる
- 下肢の筋力強化
「ピーターパン」でも、リフォーマーのスプリング負荷を調整することで、股関節の動きを無理なくスムーズにし柔軟性を向上することができます。
4,リフォーマーのスプリング調整がもたらすメリット
リフォーマーのスプリングは、調整の仕方によって、柔軟性を高めるようにも、筋力を向上させるようにも使うことができます。そのため、ピラティスリフフォーマーで行う「レッグサークル」や「ピーターパン」には次のようなメリットがります。
・ 無理なく股関節の可動域を拡大、柔軟性を向上できる
・負荷をかけて筋肉を強化できる
・初心者や上級者など、個々の柔軟性に合わせてトレーニングできる
・骨盤を安定させる
特に「レッグサークル」と「ピーターパン」のエクササイズで、股関節の柔軟性向上や脚の筋肉の強化をするためには、スプリングの適切な調整が必要になってきます。
5,まとめ
ピラティスリフォーマーを使った「レッグサークル」と「ピーターパン」は、股関節の柔軟性を向上させるのに効果的なエクササイズであることが、Cristóbal et al. (2014) の研究で示されています。そのためにはリフォーマーのスプリングの調整をうまく設定することもポイントです。
なぜなら、そのスプリングの調整によって、筋肉を強化したり、柔軟性を高めたりできますし、可動域を徐々に上げていく微調整もできるからです。
マシンピラティスを使うスタジオも増えてきていますが、リフォーマーをうまく使って、股関節の可動域を広げるトレーニングができるといいですね!