踊りがしなやかになるダンサーのための背骨エクササイズ【レベル別】|腕・脚を自在にコントロールするために
目次
なぜダンサーには「背中の柔軟性」が必要なのか
ダンスでは、腕や脚の動きばかりに意識が向きがちですが、実はその動きは背骨からコントロールされます。
ダンスには、体幹を動かす動きも多く
例えば、上体を前に倒す、横に倒す、捻る、反らすなど、背骨を大きく使う動きが多いです。
このとき背中が硬いと、腕や脚だけが先に動いてしまい、動きがバラバラに見えたり、無理に動こうとして、首や腰に負担をかけることも少なくありません。
一方で、背骨がしなやかに動くと、
体の中心から四肢へと力がスムーズに伝わり、
✔ 腕や脚の動きが自然につながる
✔ 上体の動きもしなやかになる
✔ 踊り全体が大きく見える
といった変化が現れます。
背骨の柔軟性は、単に「柔らかい」だけではなく、自分でコントロールしながら動かせることも重要です。
そのためには、背骨を動かす練習をしていくことが欠かせません。
このブログでは、
ダンサーのための背骨を柔軟にするエクササイズを初級・中級・上級のレベル別に、ご紹介していきます。
【初級】キャットストレッチ
ダンスクラス前のウォーミングアップやクールダウンとして行うと背骨がリセットされ、姿勢が整います。
このエクササイズではレッスンスタジオによくあるバーを利用してもできます。呼吸と一緒に背骨を上下にうねらせてみてください。
やり方
1、背中をまっすぐに保ち、四つん這いになる。
2、息を吐きながら背中を丸くし(写真1)
3、息を吸いながら背中を反らせる。(写真2)
*肩甲骨とウエストの後ろで反ります
回数:6〜8回
注意:呼吸を使って、背中を大きくうねらせて
【中級】スパインストレッチ・フォワード
今度は、背骨を柔軟にするスパインストレッチフォワードです。
キャットストレッチで十分に背骨を動かせたら、座位で背骨を動かしてみます。
できたら、両膝を前に伸ばしてかかとを押し出しますが、膝を伸ばすのが難しい場合は、膝を曲げて行い、少しづつ伸ばしていきます。
やり方
1、両足を肩幅に開き、かかとを押し出して、腰をまっすぐに立てて座り、両腕は肩幅にして前に伸ばす。
(腰を立てるのが無理な場合は、ブロックを使うかマットの縁を折るなどして高さをつけその上に座る)
2、息を吐きながら、頭を中に入れて背骨を一つづつ落としていき、息を吸いながら、背骨を一つづつ立ち上げていく。
回数:5、6回繰り返す。
ポイント:背骨の椎を一つづつ意識して動かすのがコツです。
下の動画でエクササイズが見れます。👇
【上級】ロールオーバーウィズオープンレッグ/コントロールバランス
最後は仰向けで行うエクササイズですが、中上級のエクササイズを2つご紹介します。
これらのエクササイズはコアをしっかりと使って、両脚と背骨をコントロールして動かすので、体幹も鍛えられ、背骨も柔軟になります。
特に、コンテンポラリーダンスや、モダンダンス、ジャズダンスなど、上体の動きや床での動きが多いダンスを踊る方にお勧めします。
まずは、ロールオーバーウィズオープンレッグ
ロールオーバーウィズオープンレッグ
やり方
1、仰向けで、両足を90度腰を90度にセット
2、両足をつけて、斜め45度の方向に伸ばす。
3、息を吐きながら、両足を頭の方に持っていき、床と平行にする
4、息を吸いながら、両かかとを押し出し、足をフレックスに
5、息を吐きながら、背骨を一つづつマットについて下の位置に戻る。
回数:5、6回
ポイント:両足を頭の上に持ち上げたとき、首の後ろを痛めないように、肩甲骨の間でバランスをとる
補足ですが、両足を上げて動かすのが不得意な方は下のコークスクリューというエクササイズを先にやってみることをお勧めしたす。
コークスクリューは、体の中心であるコアを強化し、股関節の動きをよくするピラティスのエクササイズですが、両脚をピッタリとつけて、足先を上に引っ張るようにすると股関節が回りやすくなり、腹筋と足のつながりがわかります。
コークスクリューの動画は次ののリンクから見れます。
コントロールバランス
次は上級のエクササイズコントロールバランスです。
コントロールバランスはさらに、体の中心コアをしっかりと使い、全身を床の上でコントロールして動かす上級者向けのエクササイズです。
ロールオーバーした時に、体幹が弱かったり、背中が硬いと、体重が首にかかりすぎてしまうので頸椎を痛めるので、まずは上記のロールオーバーウィズオープンレッグ 、ジャックナイフなどのエクササイズで、体幹が強くなってきてから挑戦してみてください。
やり方
1.マットの上に仰向け。両脚を揃え、90度にセット、45度の方向に伸ばす。
注意 お腹を凹まして骨盤を平らにする腹筋を使い、腰が反らないように。
2、息を吐いて、両脚を頭の方ヘ持っていきさらに天井の方へ上げていく。
注意 肩甲骨の間でバランスをとり、首に体重がかかりすぎないように。
3,息を吐きながら右足の指先を床につき、左脚は天井の方に。
注意 両脚の膝を伸ばし、脚を各方向ヘ伸ばすようにする。
下の動画から見れます。
まとめ
ダンサーにとって背骨は、
腕や脚の動きをつなぎ、全身を一つとしてコントロールするための重要な軸です。
背骨が硬いままだと、
動きが分断されて見えたり、首や腰に余計な負担がかかりやすくなります。
一方で、背骨をしなやかに、かつ自分でコントロールして動かせるようになると、
踊りは自然につながり、表現にも余裕が生まれます。
今回ご紹介したエクササイズは、初級から上級まで段階的に背骨を動かし、
ダンサーに必要な「柔軟性」と「コントロール力」の両方を養うものです。
今の自分に合ったエクササイズから、丁寧に続けることで、
少しづつ背中が柔軟になって、エクササイズがやりやすくなるのを感じられます。

