股関節が片方だけ痛い?変形性股関節症の初期症状と原因 -体験と実例をもとに-

「股関節が片方だけ痛い」「歩くときに片足が重い感じがする」「片足の股関節だけ引っかかるような感じ」
そんな違和感を感じていませんか?

実はそれ、変形性股関節症の初期症状かもしれません。
放っておくと痛みが強くなり、歩くのもとても辛くなります。

私は元コンテンポラリーダンスをプロとして踊っていたので、レッスン、リハーサルそして公演と1日6時間くらい身体を動かしていたこともあり、股関節の消耗も大きかったので、50代になってから変形性股関節症を発症してしまいました。

現在はピラティスで痛みを改善し、そのピラティス指導をしていますが、ダンサー時代に左の股関節の違和感(引っかかる感じを経験したこともあり、また周囲にも同じ悩みを持つ方がいました。

今回は、私自身やその他の方の股関節痛の経験も交えながら、変形性股関節症の初期症状と原因についてお伝えします。

変形性股関節症とは?

変形性股関節症は、股関節の軟骨がすり減って炎症や変形が起きる病気です。
特に40代以降の女性に多く見られ、以下のような特徴があります。

  • 片方の股関節だけが痛むことが多い
  • 歩き始めや階段の上り下りで痛みを感じる
  • あぐらをかく姿勢がつらい
  • 長く歩くと痛みが増し、ひどい場合は突然歩けなくなる

初期では「ちょっとした違和感」として現れるため、見逃してしまいやすいのが特徴です。

変形性股関節症の原因は大きく分けて2種類

1. 先天性のもの(臼蓋形成不全)

股関節は、骨盤の「臼蓋(きゅうがい)」と呼ばれる受け皿に大腿骨の骨頭がはまり込む構造をしています。
しかし生まれつき臼蓋が浅い人がいて、これを臼蓋形成不全と呼びます。
この臼蓋形成不全が原因で、変形性股関節症に進行する場合があります。

2. 後天性のもの(スポーツや習慣による負担)

生まれつき問題がなくても、サッカー・野球・体操・バレエ・ダンスなど、股関節に大きな負担をかけるスポーツは変形性股関節症を起こす原因になります。

変形性股関節症初期症状を体験して

私自身,ダンサーとして活動していた頃、レッスンやリハーサルの時に左足股関節に「引っかかり」を感じていました。


特に、

  • 足を高く上げる動作(デヴェロッペなど)
  • 股関節から足を回す動作(バレエのロンデジャン)

こうした左側の股関節を動かす動きでは右股関節に比べて左だけスムーズに脚を股関節から動かせないことがありました。

整体に行った時にそのことを話すと「左側の脚の筋肉が右に比べて弱いですね」と言われていました。
しかし、特に痛みはなかったため、ダンスと指導も続けていましたが、50代になってからその左脚の股関節にに痛みが出るようになったのです。


最初は「引っかかるような」違和感程度でしたが、徐々に歩くと痛むようになり、20分ほど歩いて一度休むというようにしないと、歩き続けることができませんでした。

整形外科に受診したところ変形性股関節症初期の診断を受け、股関節の軟骨がすり減っていると診断されました。

しかし、ピラティスで体の使い方を見直し、体幹の筋肉と股関節周辺の筋力を整え、右脚とバランスよく筋力をつけて行った結果、

2、3時間歩いても痛みを感じなくなり、レッスンを指導している時も全く支障はなくなりました。


これは私自身にとって大きな転機であり、現在ピラティスを通して同じ悩みを持つ方々をサポートする原点になっています。

変形性股関節術後の方の経験談(ジャズダンスの先生とテニス愛好者の話)

私の知り合いのジャズダンスの先生に変形性股関節症の手術を受け、人工股関節を入れた方がいます。

その方は、片方の脚だけ股関節に痛みがあったため手術を受けたそうですが、術後もダンスの指導を続けています。

ただし、毎回、必ずクラスの前に40分間、体のコンディションを整えるウォームアップするそうです。
これは「手術しても、日常のケアと運動療法が欠かせない」ということの実例ですね。

また、私のスタジオにも変形性股関節症術後のクライアントがいます。

その方は、もともと臼蓋形成不全だった両脚の股関節を手術をしました。

術後、医師から動きの制限を言われなかったとのことで、ピラティスを体のコンディショニングとしてレッスンをしていました。

その方も、ピラティスで定期的に体を整え、鍛えることで、体の調子がとてもよくなり、テニスを再開できるまでになったのです。


このお二人の経験談から、「体のコンディションを整える運動」をすることで、手術後でも、ダンスやスポーツを楽しく継続できます。

股関節が痛む時、変形性股関節症術後にしておきたいこと

上記の体験談から、股関節に痛みがあるもしくは変形性股関節症の手術をした後に、どのようなことに注意して、股関節の調子を整えて痛みが出ないように注意していけばいいのでしょうか?

まずは、股関節に痛みが生じたときは、整形外科を受診することをお勧めします。

そして変形性股関節症と診断された場合、

「長時間歩くこと」や「過度なストレッチ」など、他にもいくつか変形性股関節症の時や股関節に痛みがある時に共通してやってはいけないことがあります。

また、変形性股関節の手術をした後、または、股関節の痛みがある時に用いられる保存療法として用いられる運動療法は、股関節の痛みを改善するのに効果的です。

通常は、整形外科を受診した後に、理学療法士から運動指導を受けますが、ピラティスもその運動療法になります。
日常生活の中でも、もう少しスポーツやダンスを続けたい、登山や旅行を楽しみたいという方は、ピラティスで深層筋を鍛え、骨格や筋力のバランスを整えることで、よりアクティブな体づくりをすることができます。

まとめ

股関節が片側だけ痛い原因には、大きく分けて先天性の臼蓋形成不全と、スポーツや生活習慣による過度な負担という後天的な原因があります。

私自身も50代になってから、ダンサー時代に違和感のあった左の股関節が痛み始め歩くことも難しい時期がありました。

それでも、ピラティスエクササイズで体を整え、股関節周辺の弱い筋肉を強化することで、15分しか歩けなかった状態から改善し、再び快適に歩けるようになりました。

また、知り合いのダンスの先生や私のクライアントの実例からも、変形性股関節症においては運動療法が非常に有効であることを実感しています。

大切なのは、股関節が痛むときに無理をせず「やってはいけないこと」を知り、適切な運動療法を継続することです。

変形性股関節症は進行性の病気ですが、早期に気づき、体の使い方を整えることで日常生活の質を大きく改善できます。

次の記事では、変形性股関節症でやってはいけないことについて詳しくお話ししていきます。