インナーマッスルで姿勢を整え、トレーニングで動きを変える

姿勢はすべての動作の“スタート地点”。

姿勢が乱れると、日常動作でもダンスでも軸がぶれ、肩や腰に力みが出やすく、疲れやすい体になります。

逆にインナーマッスル(腹横筋・多裂筋・骨盤底筋・横隔膜)が働き始めると、背骨と体幹が安定し、動きの効率が一気に上がります。

この記事では、インナーマッスルの鍛え方と一般の方、ダンサー向けの姿勢を整えることで可能となるいくつかの動きとそのトレーニング方法について解説します。

1. 姿勢の土台をつくるインナーマッスル:安定した軸づくり

インナーマッスルは、固めて力を発揮する表層筋とは異なり、
呼吸と連動して背骨・骨盤・内臓を支える“深層の筋肉”です。

ピラティスでは、このインナーマッスルを活性化するエクササイズが多く取り入れられており、姿勢の安定に効果があることが実証されています。

2. 仰向けでできる:インナーマッスルを呼び起こす基本エクササイズ

次に、そのインナーマッスルを意識する簡単なエクササイズを紹介します。

このエクササイズは、ダンサーも含めて全ての人に効果的です。

体をリセットしたい寝る前や朝起きた時、ダンサーだったらレッスンの前にやると、体の余分な力が抜けて、歪みもリセットされます。

①全身の力を抜く

最初に仰向けで、両手を上に組み、両足と引っ張り合い、一気に力を抜きます。このときに、肩や腕などに力が残ってないようにします。

②大きく深呼吸(横隔膜の動きを刺激)

次に、息を吸うときは大きく息を吸い、吐くときは、吐ききる呼吸をすると、

横隔膜の動きが活性化します。

横隔膜が動くと腹圧が高まるため、体幹が安定します。

③骨盤の後継で腹横筋を活性化

最後に、仰向けで両膝を立て、両手は体の横に、

息を吐きながら骨盤を後傾(骨盤をおへその方に傾ける)と

息を吸いながら床と平行に戻す。

このエクササイズを5、6回繰り返します。下の動画から見れます。

3. 壁を使った壁スクワットで姿勢を改善

姿勢を整えるエクササイズは、壁に、後頭部、肩甲骨の間・骨盤を軽く当てて行うシンプルな壁スクワットが効果的です。

壁スクワットでは、背骨が安定するので太ももばかりに頼らないスクワットができるため、膝の負担もかかりません。

・やり方

①両足を肩幅に開き、壁から30センチほど離れて、後頭部、肩甲骨の間、腰を壁につける。

②息を吸いながら膝が直角になるまで、腰を落とし、吐きながら膝を伸ばす。

注意:後頭部、肩甲骨の間、腰を壁につけたまま行う。

このように、背中をまっすぐにしたままスクワットをする壁スクワットでは壁が“ガイド”となるので、骨盤・肋骨・背骨が正しい位置にリセットされます。

そのため、反り腰・猫背のクセもリセットされます。

また、体幹が安定させて動く感覚をつかみやすいので、姿勢が整った状態で立位・歩行へ移行しやすくなります。

4. 良い姿勢で歩くと「歩幅が広がり、腕もラクに振れる」

壁スクワットで整えた姿勢で歩くと、

・歩幅が自然に大きくなる

骨盤が安定することで、脚が股関節から前へスッと出るようになります。

・腕が振りやすくなり、肩が凝りにくくなる

体幹の安定により肩の力が抜け、肩関節から腕が軽く動くようになります。

ただし、姿勢が良くなっても、歩くときに次のようなクセが出てしまうと、歩き方も変わらなくなってしまいます。

  • 前かがみで歩く
  • 腰が丸まり、膝が曲がったまま歩く

などです。

そのため、その正しい姿勢を“動きの中で使うトレーニング”が必要です。


正しい姿勢で、歩き方のトレーニングを行うことで、姿勢改善が日常の動作へとしっかりつながっていきます。

5. 正しい姿勢はダンスの腕の動きも変える

体幹が安定すると肩甲骨が安定し正しく動くため、腕の動きが軽くなります。

特にバレエの腕の5番ポジション(アンオー)では、肩を上げずに腕を上げるので、
肩甲骨の外転が重要になります。

バレエで腕をアンオーに上げる動きも背骨がまっすぐ安定しているからこそできる動きです。

バレエのアンオーでは、肩が上げずに
肩甲骨を外転させる(肩甲骨の上方回旋)

6. 姿勢を崩すNG行動にも注意

正しい姿勢を保つために、日常的にやってしまいがちな次のような悪い癖は注意が必要です。

  • 足を組むクセ
  • 前のめりのスマホ姿勢
  • 長時間座る/長時間立つ姿勢
  • 浅い呼吸

これらは、深層筋が働きにくいため要注意です。

7.日常で続けたい姿勢改善の習慣

  • 朝の伸びで背骨をリセット
  • 深く呼吸をする
  • 長時間同じ姿勢をしない。
  • 同じ足に体重をかけすぎない

このようなちょっとしたことを気をつけることで、正しい姿勢が身についていきます。

8. 慢性痛や歪み、筋肉のアンバランスは専門家に診てもらうのが早道

次のような、難しい症状のある場合は、専門家に診てもらった方が治るのが早いです。

  • 繰り返す慢性的な腰痛や股関節などの関節痛
  • X脚・O脚などの骨格の歪み
  • 左右の筋力のアンバランス

こういった悩みは専門的な動作分析と適切なトレーニングが効果的です。
当スタジオでは、個別に身体の歪みや姿勢などの状態を見て、マシンピラティスなどの適切なトレーニングで痛み・歪みの改善を根本からサポートします。

9. まとめ:インナーが整えば、体の動きは変わる

ここまで姿勢と動きのつながりを紹介してきましたが、最後にインナーが整うことで体全体がどう変化するのかをまとめます。

インナーマッスルが働き、体幹が安定すると、姿勢が自然と整い、日常の動作や歩き方、そしてダンスの動きまでスムーズに変わっていきます。

簡単にできる壁スクワットで姿勢を整え、その姿勢を歩行や動きの中で使えれば、歩幅が広がり、腕が軽く振れ、全身の連動が高まっていきます。

さらに、日常生活で姿勢を崩すクセを見直し、正しい姿勢で過ごす習慣を積み重ねることで、体は年齢に関わらず、少しづつ変化し始めます。

特に、難しい痛みや歪みがある場合は専門家のサポートを受けながら、無理なく体を整えていきましょう。

深層筋が整えば、体の動きが変わり、人生の質が向上する大きな一歩となります。