変形性股関節症の痛みを避ける7つの行動とピラティスの対処法

「少し痛いけれど歩いても大丈夫かな?」「ストレッチで伸ばしたほうが治る?」
そう感じて無理をしていませんか?

私は海外で活動していた元コンテンポラリーダンサーで、ピラティスはダンサー時代より体の調整に取り入れていましたが、現在のピラティス指導歴15年になります。

自分自身が初期の変形性股関節症を経験し、ピラティスで改善した当事者です。

加えて、股関節の痛みや手術経験を持つクライアント方々のピラティス指導や人工股関節の手術をしたダンサーの経験談も耳にしてきました。

本記事は、私自身と実際の指導経験をもとにまとめていますが、股関節の症状や痛みの出方には個人差があります。

現在、股関節に痛みのある方や変形性股関節症を患っている方は、参考としてお役立てください。

変形性股関節症で避けたい7つの行動


❌1. 痛みを我慢して歩く・動く

▶ 痛みがあるときは股関節部位に炎症が起きている可能性が高く、無理に動かすと悪化につながります。

対処ポイント

  • 痛みを感じたらいったん座る・体勢を変える
  • 長距離の場合は、痛くなったら一旦休んで痛みがなくなってから歩くなど

日常的に痛みの出ないように体を動かします。

痛みがあるということは、体が悲鳴をあげている、痛いから動かさないで!と頭に信号を送っていることになるので、痛みを我慢しての歩行など体を動かすことは避けましょう。

❌2. 痛みを感じる強いストレッチ

▶ 「硬いから伸ばさなきゃ」と思って過度に開脚・前屈すると、股関節部位の筋肉や関節、それにまつわる神経を刺激しやすくなり、痛みが出やすくなります。

避けたい動き

  • 痛みを伴う開脚・前屈
  • バタフライ(割り座)などの脚の外旋ポーズ

安全なやり方

  • 「伸びて気持ちいい」レベルで止める
  • 内腿を腹筋に引き込む意識で、腹筋、体幹を意識して動かす。(この方法はピラティス的な体の動かし方になります。)

❌3. 痛みがあるのに片足に体重をかけ続ける

▶ 片足荷重は痛みのある箇所へダイレクトに圧をかけ、炎症を悪化させる恐れがあります。

対処法

  • 体重をかけても股関節が痛くなくなってきたら、できるだけ両足に体重をかけるようにする。
  • 痛みがある日は立ち続けず、こまめに休む

❌4. 痛い側を下にして寝る

▶ 股関節を圧迫し、夜間痛や炎症を助長する原因になります。

おすすめの寝方

  • 痛い足を上にして横向き
  • 両膝の間にクッションや枕を挟む

❌5. 長時間座りっぱなし・足を組む

▶ 血流低下と筋硬化により動き出しで痛みが出やすくなります。足組みも負担増の要因に。

対策

  • 30〜40分ごとに立って姿勢を正したり、伸びをする
  • 坐骨で座り、骨盤を立てる意識

❌6. 自己流の体操・動画エクササイズの真似

▶ 進行度・状態に合わない動きで悪化する例が少なくありません。

ポイント

  • 同じ“股関節痛”でも原因は人それぞれ
  • 動作確認・修正ができる運動指導を受けることが安全
  • ピラティスでは腸腰筋や体幹を再教育することで正しい動き方を身につけられる

❌7. 体重増加を放置する

▶ 体重1kg増えるだけで、歩行時には数倍の負荷がかかります。初期症状ほど注意が必要。

対処

  • 食事と生活習慣で適正体重を維持
  • 痛みがある日は関節に優しい筋トレや全身運動が効果的

ピラティスで股関節の痛み対処法

ピラティスの対処法では、痛みのある股関節部分から動かしたりするのでははく、その周辺である、体幹部、お尻、腹筋、背筋、そして脚のように、全身の筋肉の使い方を整えていきながら、股関節周辺の筋肉にアプローチしていきます。

例えば、腹筋の中でも腹横筋・腹斜筋・腸腰筋などの左右の筋肉を整えつつ、背筋や、脚の筋肉のバランス、関節の柔軟性など左右バランスを見ながら行なっていきます。
自身の体験では、股関節の痛みのあった左が股関節は、腸腰筋を動かすエクササイズがうまくできなかったので、体幹の筋肉を強化しつつ、その筋肉を特にトレーニングしていったら改善が見られました。

こうして、全身の動きをバランスよく改善していくことで、股関節の正しい動き方を再教育できます。

まとめ

変形性股関節症で避けたい行動にはは以下の7つがあります。

  1. 痛みを我慢して動く
  2. 強すぎるストレッチ
  3. 痛い側に片足荷重
  4. 痛い方を下にして寝る
  5. 座りっぱなし・足組み
  6. 自己流の運動・マッサージ
  7. 体重増加をそのままにする

ピラティスでは、患部である股関節部位を動かすことから始めるのではなく、その周りの筋肉である腹筋、背筋、臀筋などその周辺の筋肉と全身を連動させつつ、股関節の動き方を再教育し、必要な筋力をつけていいきます。

私自身も初期症状からピラティスで改善しましたが、痛みがあっても正しい方法で、筋肉と関節を動かすことを再教育すれば痛みは改善することを実感できました。

次回は【変形性股関節症におすすめのピラティスエクササイズ】をわかりやすく紹介します。