ピラティス、ダンス、ヨガ、など多くのジャンルに共通のこと
よくバレエや格闘技などやっていた人が、ジャズダンスやコンテンポラリーダンスを踊ると、結構うまく踊れてしまうのを目にしたことがあるのではないでしょうか?
それはそれぞれのテクニックの基礎に共通点があるからです。
その基礎となっている共通点は、2つあります。
一つは体を動かすとき、中心(コア)から動かす、意識するということが共通していること、
2つ目は、体のアラインメント(骨格、骨の並び)を正しく行うこと
になります。
この記事では、その2つの点についてお話しします。
目次
ダンスや武術に共通のコア(体の中心)
一つ目は、身体の中心(コア)の意識です。ダンスでは、体を動かす中心は骨盤の中心にあると言われています。
太極拳の場合は丹田(おへそから2、3センチ下がったところ)を意識して動くというのを、聞いたことある方もいるかもしれませんね。
太極拳では、臍下丹田という言葉があります。ヨガで言えばチャクラの一つ。
体のセンターを意識して体を動かすことはヨガでも太極拳、ダンス、武術などに共通しています。
この丹田、もしくはチャクラ、もしくは体のセンター(コア)を意識してトレーニングすることが、ダンス、太極拳、ヨガ、武術などの身体運動にとって重要な点になります。
つまり、このコアの意識、コアを中心に体を動かすことができれば、他のジャンルのダンスでも体得するのに、それほど難しいことはないのです。
バレエ、格闘技、ダンスには、それぞれ体の動かし方やテクニックに特徴があるので、コアの意識のほかに重視する点はそれぞれ異なります。
例えば、バレエの場合は、体の中心から背骨を立てて軸を作るので、ピルエット、アチチュードターン、アラベスクターンなどの回転のテクニックが多くなります。
一方コンテンポラリダンスでは、上半身の動きも伴い、重心も落としてコアを低く保つので、床に転がるなどのフロアーワークが多くなります。
このように、動き方は、異なってきますが、体の中心を意識して動くことは共通しているのです。
どんな動きにも耐えられる身体のアラインメント
2つ目は、姿勢と身体のアラインメント(骨の羅列)を重視する点です。
これは、自然なラインを持つ背骨を保っているか、腰が反っていないか、猫背になっていないか、膝をつま先の方向に曲げているか、
足の土踏まずに重心がまっすぐに降りているかなどになります。
これらのアラインメントで悪い癖がついてしまうと、深刻な怪我につながります。
プロを目指すなら、悪い癖は克服しないといけないでしょう。
なぜなら、膝を曲げた時に、膝がつま先の方向に曲げることができす、膝関節をねじってしまうと、膝関節を痛めるだけでなく、膝の腱や靭帯も摩耗させてしまうのです!(考えただけでも痛々しい…)
身体のアラインメントがしっかり身についていると、身体の動きと呼吸を使って、格闘技で言えばダイナミックな技を、
ダンスでも大きく、エネルギッシュに動く事が出来るのです!
体ができていれば何でも踊れる!
前述の、膝を曲げる方向などの身体のアラインメントについては、ダンス、格闘技、ヨガ、でも共通のことと述べました。
また、体をコアから動かすことができ、アラインメントが正しければ、どんなダンスをやっても、動ける体ができているので、ダンスの習得が早くなります。
逆に言えば、ダンス、武術、ヨガなどのトレーニングで、体の中心(コア)を鍛え、アラインメントを治していくということもできます。
ちなみに私がダンスのトレーニングを受けたダンス学校ではコンテンポラリーダンスは必須でその他に
ダンス分野:バレエ、ジャズダンスなどから1科目選択
トレーニング分野:ヨガ、ピラティス、筋トレなどから1科目選択
という具合でした。
大学のダンス科ではもっと選択科目が多く、タップや太極拳、カポエラ、ベリーダンスなどもあり、米国のほとんどの大学では、1つのダンスだけを習うというプログラムはありませんでした。
結局、大学のダンス科の方針は、いろいろなダンスや格闘技などで体の動かし方を習得し、からだの基礎を作ることで、何でもこなせる動ける体にして、生徒のテクニックやダンスを上達していこうという考えなのでしょう。
現在のダンスのオーディションでは、バレエ、ジャズダンス、コンテンポラリーだけでなくヒップホップや即興まで、ある程度のレベル踊れるということが求められてきているので、そのためのダンス科の科目もそうなるのでしょう。
コア(パワーハウス)を強化,アラインメントも整えるピラティスはダンスのトレーニングに最適!
ダンスクラスで基礎をトレーニング(コアやアラインメントなどを強化を含む)することは可能かもしれませんが、
クラスを受けていると、振付を覚えることや音楽に合わせることに必死で、コアの意識やアラインメントなど基本的なことに注意が向けられず、何となくレッスンしているということはありませんか?(私もそうでした…)
そのように、意識が向けられない筋肉の強化や不得意な動きがうまくできるようになるために、最適なエクササイズが、ピラティスです。
ピラティスとは?
ピラティスはもともと、英国で従軍兵士のリハビリのエクササイズでしたが、ニューヨークのスタジオで、モダンダンスや、バレエダンサーのトレーニングとして発展しました。
特に、モダンダンスのマーサグラハムやのダンサーやニューヨークシティーバレエのバレリーナ達は、ピラティスを自分たちの体のメンテナンスやトレーニングのために行っていました。
マット、バランスボールなどの ピラティス道具のほかに、 専用マシンのリフォーマー、キャデラック、チェアなどを使って、体のコアの意識や動きのアラインメントをじっくりトレーニングする点で、ピラティスは踊れる身体づくりのためのおすすめの身体のトレーニングです。
多くのダンサーがピラティスを身体のトレーニングとして取り入れていますが、それはピラティスが体のコアを強化し、身体のアラインメント正す身体づくりの最適な方法だからなのです。
急がば回れとはよく言ったものですが、基本の体づくりをしっかりできていると、ダンスの基本(バレエで言えば脚を外に開くアンディオール、コンテンポラリーダンスでいえば、床に転がるフロアーワーク)もしっかり身につくようになるでしょう。
まとめ
ダンス、武術、ヨガなどの身体運動には、体の中心(コア)と身体のアラインメントが重要!ということを書いてきました。
コアの意識を高め、体のアラインメントを正しくすることで、ダンス、武術、バレエなどの身体運動において、体の安定感が向上し、筋肉や関節の動きも無理なくスムーズにできるようになります。
身体づくりというと何か地味でつまらないことのように思われますが、動ける身体になれば、いろいろなダンスやテクニックが上達するだけでなく、難しい動き、振付もできるようになります!ピラティスはその動ける体をつくるエクササイズでもあるのです。
バレエやダンスクラスでも、音楽に乗って、基本を気にせずに踊れるくらいに..なりたいですね!