この記事では、私自身が初期の変形性股関節症と診断され、その後、股関節の痛みがどのように改善していったか、その体験談をご紹介します。

コロナ前、私は変形性股関節症の初期と診断されました。
当時は、1時間ほど歩いたり立っているだけで左の股関節が痛み、じっと座っているだけでもつらい日もありました。

ダンサーとして長年身体を使ってきた私は、「もう踊れないどころか、体を動かす仕事は無理かもしれない」という不安を抱えながら、整形外科を受診しました。

整形外科での診断

2019年の冬ごろでした。1時間くらい歩いたり、立っていると左脚の股関節に痛み出るようになり、症状は次第に悪化していきました。

そこで、ダンサーや舞台関係者の怪我を治療もしているS整形外科を受診しました。

レントゲンの結果、医師から「左股関節の軟骨がすり減っていますね。それで痛みが生じています」と言われ、変形性股関節症初期との診断を受けました。

さらに整形外科の先生は「それ、体幹ですから…」と言い残したのですが、自分では毎日30分くらいトレーニングをしていて、体幹はしっかりとしていると自負していたので、その言葉は意外でした。

しかし、後で分かったのですが、やはり体幹だけでなく、左の股関節周辺の筋肉がしっかり機能していなかったことがわかりました。

医師からは、痛み止めのロキソニンと、体幹を支えるためのコルセット(下記写真)を処方され、診察を終了しました。

そして、不思議なことに、このコルセットを装着して整形外科から帰る時には、痛みなく歩くことができたのです。

この体験が、のちの股関節の痛み改善のきっかけとなりました。

医療用コルセット

隔週で理学療法士のリハビリを受ける

後日、同じ整形外科に電話をして理学療法の予約をとり、いよいよリハビリを受けることになりました。

理学療法では、腹筋・中臀筋・お尻の筋肉を中心としたエクササイズを教わり、隔週で毎回20分のリハビリを3ヶ月ほど続けました。

その結果、少しずつ歩行が楽になったものの、かなり痛みがある時もあり、1時間継続して歩く、立ち続けるなどのことは痛くてできませんでした。

「もう少し歩けるようになりたい。痛みなく動けるようになりたい」という思いを残しながら、整形外科のでリハビリは終了しました。

股関節の痛み改善を目指して始めたセルフケア

日常動作に支障が出るほど痛いわけではないけれど、自分としては、ピラティスやダンスの教えも続けられるようにまで、回復したかったので、その後、さまざまな方法を試しました。
整体、マッサージなどは、一時的に楽になることはあっても、また痛みがぶり返す日々。

無理して歩いたりした日の夜は寝ていても、左の股関節部がジンジン痛くなり、続き痛み止めを飲む日が続くこともありました。

その対応策として抱き枕を買って股関節に負担がかからないように両脚に挟んで寝たりしました。

ある本で貧乏ゆすりをすると関節の軟骨が増えて、痛みが改善したという研究がのってたので、本に書いてある通りに1日90分椅子に座って貧乏ゆすりをやりました。

貧乏ゆすりをすると、よくなることもありましたが、かえって痛くなることもあったので約1ヶ月くらいやってやめました。

寝ていても痛みが!別の病院の治療を受ける

寝ていても痛い日が続き、症状が悪くなってきたので、もう一度、近所のリハビリが受けられるH整形外科を受診することにしました。

診断は同じく、変形性股関節症の初期。先生には、

「特に、骨盤の開きが4°狭いですね。15分以上続けて歩かないようにしてください。」と言われました。

整形外科の受診結果

そして再び、理学療法士のリハビリを受診。

理学療法士の先生は

「立っているときに左足の親指が浮きがちなのでしっかりと体重をかけてください。」と指摘され、診療は終わりました。

さらに、関節の痛みや炎症を軽減する幹細胞治療についても調べました。

幹細胞治療というのは簡単にいうと

自分の細胞から、すり減っている股関節の軟骨細胞をつくりそれを股関節に注入して軟骨を増やす事で痛みをとるという治療法です。

幹細胞治療をしている病院に行って話も聞きましたが、股関節痛の場合は幹細胞治療をしても痛みの軽減が感じにくいことや、

保険が効かないので治療費が高いことなどの説明を受け、考えを改めることにしました。

歩き方・姿勢の見直しで気づいた体幹と脚をつなぐ筋力の弱さ

そこで、自分なりに他の解決策を模索することにしました。

特に私の場合は、座ったり立つという動作をする時に痛みはなく、立ちづつけたり、歩き続けという動作に痛みが特にあったため、歩く姿勢と立ち姿勢の見直しをするのがいいのではと考えました。

そこで、パーソナルトレーナーの指導を受け、歩行や立位姿勢を客観的にチェックしてもらうことにしました。
歩き方や、いろいろなエクササイズを通して分かったのは、左股関節部分の体幹と脚をつなぐ筋肉(腸腰筋・大腰筋・中臀筋)と左脚の内腿の筋肉(内転筋)が右に比べて弱く、動き方も良くないということがわかりました。

つまり、体幹が弱くなっていることと、この体幹と脚をつないでいる筋肉がしっかりと機能していないことが、大きな原因だったようです。

自分の体でこのことがわかり、ピラティスに再び向かい合うきっかけとなりました。

ピラティスのコンディショニングで“股関節と体幹のつながり”を取り戻す

6ヶ月のパーソナルトレーニングを終えた後は、とりあえず良くなってきたので、自分の股関節の痛みと向き合いながら、ピラティスを取り入れたコンディショニングを行いました。。

最初は体幹を中心に強化。特に、呼吸法や体幹のインナーマッスル(腹横筋、腹斜筋など)を意識して動かすエクササイズを行いました。
負荷も弱く、股関節の痛みがなくできるエクササイズから始め、脚、全身のエクササイズなど増やし、少しずつ負荷も加えていくうちに、体幹も強くなってきました。

次第に、左股関節に体重をかけても痛みがなく立位のエクササイズもできるようになりました。

自分でコンディショニングとトレーニングを続けて行った結果

  • 1時間以上歩いても痛くない
  • レッスン中1時間以上立っていても痛くならない
  • ダンス公演のリハーサルもできる

ほどまで回復しました。

今でも続けているピラティスマシンを取り入れたコンディショニング

今でも、歩きすぎた時や、運動をしすぎた時は少し違和感があったり、痛む時もありますが、当スタジオのマシンピラティスも使いながら、コンディショニングを継続しています。

このように運動によって筋力や関節可動域を調整して痛みをコントロールする方法は、医療でいう「保存療法」「運動療法」にあたります。
日々行っているコンディショニングでは、股関節だけでなく、姿勢や全身のバランスを整えるエクササイズをしています。
さらに、当スタジオにあるマシンピラティスを使ってコンディショニングをすると、股関節の痛みが軽減だけでなく、凝りがなくなったり、柔軟性が向上したりなど、全般的に体の機能が良くなります。

まとめ

股関節痛の運動療法では、股関節周囲の筋肉を整え、強化して、関節の動きをよくしていく方法を取ります。

私の場合は、

  • 腸腰筋・大腰筋(脚と体幹をつなぐ筋肉)
  • 中臀筋・大臀筋(骨盤を安定させる筋肉)
  • 体幹部の筋肉:腹横筋(内臓と姿勢を支える筋肉)

これらの筋肉を整え、強化し、正しく動かすことで股関節の痛みを減らし歩く・立つ動作から複雑なダンスのような動作まで、できるようにコンディショニングしていきました。

この私自身の経験から、
股関節の痛みを改善するためには「体幹を整え、動きを再教育する」コンディショニングとトレーニングが最も大切だと感じています。

同じように、
「痛みで思うように動けない」
「ダンスを続けたいけれど不安」
という方に、この記事が参考になればと思います。

また 当スタジオでは

  • 変形性股関節症や脚の痛みを抱える方のためのコンディショニングレッスン
  • ダンサーが踊り続けるためのコンディショニングとトレーニング

を行っています。
初回体験や個別カウンセリングの詳細は、こちらをご覧ください


📹参考動画

股関節痛の改善に役立つピラティスエクササイズはこちら:股関節の痛みを改善するピラティス(動画)

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