股関節の筋肉を正しく使ってバレエで脚をターンアウトする方法
バレエに欠かせない動きのひとつに「ターンアウト」があります。ターンアウトとは、脚を股関節から外に開く、バレエ特有の脚の使い方です。
解剖学的にみると、一般的に
- 股関節はおよそ 50度
- 膝は 40度
- 足首は 15度
ほど外に開くことが可能とされており、この3つが合わさってバレエの脚のターンアウトの角度がつくられます。

ターンアウトに必要な筋肉
腰からしっかりとターンアウトするためには、骨盤周辺の奥深い筋肉を使う必要があります。(下記筋肉図参照)
具体的には、
- 大臀筋:股関節の安定と骨盤をサポート
- 梨状筋:股関節の外旋を助ける
- 上双子筋・下双子筋:外旋の補助と骨盤の安定
- 外閉鎖筋・内閉鎖筋:股関節を外に回す働き
- 大腿方形筋:股関節の外旋と骨盤の安定
大臀筋以外の6つの筋肉は、股関節のターンアウト(外旋)を形作る深層筋として重要な役割を果たします。
さらに、体幹と脚をつなぐ 腸腰筋(特に大腰筋) は、体幹と骨盤を安定させたまま、股関節を正しく動かすために重要です。

股関節だけでなく、膝や足首のターンアウトについても、それぞれに対応する筋肉の使い方がありますが、これについてはまた別の記事で詳しくご紹介します。
腰を反らさずに脚をターンアウトをするエクササイズ
ここでは、バレエやダンスを踊る時に、腰を反らしたり、お尻に力を入れたりせずに、まっすぐな姿勢を保ったままターンアウトをするためのシンプルなエクササイズを2つ紹介します。レッスン前やご自宅でも簡単に取り入れられます。
① 雑巾スライドで股関節から開く
- 滑りやすい床に雑巾を2枚置き、その上に両足をのせる
- 足はこぶし1個分開ける
- 両脚を左右同時に、股関節から外に開く
👉 お尻に力を入れすぎないように意識する

② 雑巾を1番ポジションに引き寄せる
- 雑巾の上に乗ったまま、両足を肩幅に開く
- 左右の足を同時に腰の下へ引き寄せ、1番ポジションにする
👉 お尻を固めず、内ももとお尻の下の筋肉を意識して使う

まとめ
このエクササイズは立ったまま行うので、最初は難しく感じるかもしれませんが、正しい意識を持って繰り返すことで、自然と筋肉の使い方が身についていきます。
「内腿の感覚がよくわからない」「もっと踊るための体の使い方を学びたい」という方には、このようなダンサー向けのピラティスエクササイズやマシンピラティスでの個別レッスンがおすすめです。
上記のエクササイズは、当スタジオ ボディームーブ で行っているエクササイズですが、
そのほかに、マンツーマンでピラティスマシンや器具などを使いダンサーに特化したピラティス指導を行っています。
適切なエクササイズと指導を受けることで、自己流では難しい身体の調整も無理なく行うことができ、体を整えながらターンアウトを深めることができます。(私自身がX脚からまっすぐな脚に改善できた経験談はこちらです)
バレエに使う深層筋を正しく身につけることは、美しい動きにつながり、体を楽に動かして踊ることができるようになります。
身体の使い方を変えると、体は確実に変わっていきます。その喜びをぜひ味わってください。