ダンサーの安定を支える足裏の筋肉― ルルベ・トウシューズ・ジャンプの動きを支える足の使い方 ―
目次
1、ダンスに足裏の筋肉が欠かせない理由
ダンスにおいて、身体の安定や美しい動きを支えているのは、床と身体をつなぐ「足裏」です。
どんなに体幹や脚のトレーニングをしていても、足裏がうまく使えていないと、ルルベやジャンプ、トウシューズでの安定感は得られません。
ルルベ(つま先立ち)では、指だけを使おうとすると、体が前に傾き不安定になります。
ですが、土ふまづを使ってしっかりと床を押すことで、足裏の筋肉が働き身体を押し上げることで、軸が安定します。
トウシューズでは、足指が固まりすぎると足の甲に余計な緊張が入り、バランスが崩れやすくなります。
足裏がしなやかに使えると、床からの反力も受け取りやすくなり、床を押して無理なく立ち続けることができます。
ジャンプの着地でも、足裏全体で着地できるかどうかが重要です。
足裏が使えないと衝撃を脚や膝で受け止めてしまい、負担が大きくなります。
足裏の筋肉が働くことで、柔らかく安全な着地につながります。
それではルルベやジャンプの着地などの時に、足の裏の筋肉が使えるようになるためのエクササイズを次にご紹介します。
2、足裏を目覚めさせるエクササイズ:グーパー、ドーミング
ここからは、足裏の筋肉と感覚を目覚めさせるためのシンプルで効果的なエクササイズ グーパーとドーミングをご紹介します。
まずは、足をつらないために軽く、足首を内回し、外回し(8回くらい)に回します。
⚫️グーパー
最初は、次のグー・パーのエクササイズです。
まずは、まずは足首を立てて、下の写真のように、しっかり足の裏で拳を作ります。

足でグーを作る時に、足の裏側の第三関節が、下の写真のようにボコボコ凸状にならないなら、
足の裏の上部の筋肉が弱いか、甲側の筋肉が硬いかという問題があります。(丸で囲んだ部分)

そしてパーでは
足の指全体を横に広げるエクササイズです。5本の指の間をしっかり開けられるかどうかチェックしてみてください。

注意:足首や膝が動かないようにして、もし動かしにくかったら、手で足の形を作って、筋肉を刺激します。
以上を5、6回を目安に行います。
⚫️土踏まずで床をつかむエクササイズ: ドーミング
次は、ドーミングのエクササイズです。
下の図のように、足指は伸ばしたまま、指を縮めずに土踏まずで床を引き寄せるように動かします。

ポイントは
・足指に力を入れすぎない
・足裏の中央が床に吸い付く感覚を意識する
5〜6回、ゆっくり行ってください。
使うべき足裏の筋肉が目覚めてくるのを感じられるはずです。
3、 足裏が使えるようになると感じられる変化
これらのエクササイズを行った後は、次のような変化を感じられます。
・歩くときに、後ろ足で床を押して前に進める感覚が出てくる
・ジャンプの着地で、ドンと落ちずに柔らかく床を受け止められる
・ルルベで踵を上げる時に、床をしっかりと押せる
足裏が使えるようになることで、動き全体が安定し、無駄な力を使わずに踊れるようになります。
4、 まとめ
足裏は、ダンスにおけるすべての動きの「土台」です。
ルルベ、トウシューズ、ジャンプといった高度な動作も、足裏の筋肉と感覚があってこそ安定します。
土踏まずで床をつかむドーミングのエクササイズは、特別な道具がなくても取り組める基本的なトレーニングです。
短時間でも継続することで、足の裏の使い方が変わり、踊りの質や安全性の向上につながります。
日々のレッスンやウォームアップに、ぜひ取り入れてみてください。

