「踊っていて肩に力が入ってしまう」悩みを 解決。ピラティスで腕と上体をしなやかさを鍛える!
バレエのレッスンで、「もっと肩の力を抜いて!」「腕を背中から使って!」と注意された経験はありませんか?
わかってはいるけれど、なかなか思うようにいかない…そんな悩みをレッスンでもよく聞きます。
その原因は体幹(コア)の弱さにあるかもしれません。
体幹を安定させることで、肩が上がらなくなり、上半身と腕をしなやかに、コントロールして動かすことができるのです。
そのためにはどうすればいいのでしょうか。
このブログでは、体幹を強化することで、肩の力が抜けて、首も長く保て、上体を優雅に美しくうごかせる理由と具体的なピラティスのエクササイズをお話しします。
安定した体幹が優雅な動きを生む
解剖学的に見て、体幹は下図のような深層筋を中心とした筋肉群で構成されています。
具体的には、お腹の奥にある腹横筋(ふくおうきん)、背骨を安定させる多裂筋(たれつきん)、脊柱起立筋、骨盤と体幹を支える、外腹斜筋、内腹斜筋、骨盤の底にある骨盤底筋群(こつばんていきんぐん)、そして呼吸をつかさどる横隔膜(これも深層筋の一つ)です。

これらの筋肉がコルセットのように体を支え、骨盤や背骨を安定させ、体幹の中心部(着物の帯に当たる部分)であるコアを中心に体の動きをコントロールすることができるようになるのです。
それでは、どのような動きをコントロールできるのでしょうか?
まず、体幹を強化することで、肩の力が抜け、肩の挙上やこわばりを防ぎます。
さらに、上半身の動きが楽にできるようになるため、カンブレ(上体のそらし)でも、美しいアーチを描いて背中を剃ることができます。
モダンダンスやコンテンポラリーダンス、バレエの動きでは、体幹部の動き(コントラクション、サイドベンドなど)も、綺麗にできるようになります。
そして、重要なのが腕の動きです。
バレエでは、アームスはただ腕を、肩から上げるのではなく、胸や背中の中心から動かすことが求められます。
「腕を背中から使って」という先生の注意は、まさにこの体幹と背中の連動を意識させるものです。
ピラティスでは、この背中から腕を動かすための筋肉を意識的に鍛えることができます。
広背筋は腕の付け根から背中一体に広がる大きな筋肉で、アームスを優雅に動かすのに欠かせません。
また、菱形筋には肩甲骨を背骨に引き寄せる役割があり、肩甲骨や肩を正しい位置にキープしてくれます。
さらには、脇を支える前鋸筋、大円筋、小円筋など、美しく腕を動かすためには、これらの筋肉がバランスよく動くようにトレーニングする必要があります。
つまり、これらの肩甲骨周辺の筋肉を使うと、ポールドブラを美しく、アームスをしなやかに動かすことができるのです。
それだけでなく、肩が下がり、首も長くなるなど、上半身のラインは美しく姿勢が良くなるでしょう。
自宅でできるピラティスエクササイズ:チェストアップ
ここでは、肩が上がらなくなるようにする、基本的なエクササイズ:チェストアップというエクササイズをご紹介します。
腹筋で頭を上げるときに、首が痛くなってしまう、肩が上がってしまうというのは、肋骨周辺の腹筋(上部コア)が弱いことが原因です。
このチェストアップでは、肋骨周辺の筋肉をうまく使って、首や肩に力が入らないように上部コアを鍛えることができます。
また、ダンスに使う背中と腕のためのピラティスエクササイズは、以前書いた下のブログの中で紹介しているのでそちらも参考にしてみてください。
やり方
1、マットの上に仰向けで両足は拳一個分(骨盤の幅)開き、両手は頭の後ろに組む
2、息を吐きながら肋骨を閉じて、みぞおちの後ろでマットを押し、頭を上げる。
*みぞおちを背骨に引き込んでマットを押し、その力で頭を持ち上げます(下図参照)

より効果的にトレーニングするなら
ご紹介したエクササイズは、自宅でも手軽に始められるものですが、正しいフォームで行うことが非常に重要です。
またこのほかにも、ピラティスは姿勢を整えるための深層筋のエクササイズがたくさんあります。
自分一人でやると正しいかどうかわからない、ちゃんとバレエやダンスが上手くなるための深層筋や体の使い方を学びたい場合は、ピラティスマシンでレッスンを受けることをおすすめします。
ピラティスは、バレエダンサー、コンテンポラリーやモダンダンサーや社交ダンスを志すダンサーのケガ予防やパフォーマンス向上にも広く取り入れられています。
体幹、体の軸、コアを意識し、体のいろいろな動きをコントロールして行うピラティスは、ダンサーに必要な体軸、コアを作り、バレエやダンスの美しくしなやかな動きをトレーニングするのにとてもいいエクササイズです。
特に、ピラティスマシンでトレーニングをすると、体が変わっていくのを実感でき、ダンスクラスでも体を楽にうごかせるようになったという感想を多く聞きます。
もっとダンスが上手くなりたい!もっと楽に踊りたい!怪我を繰り返したくない!という方はぜひ、一度マシンピラティスをお試しください。